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アーツ・アンド・クラフツ展と卒演

余暇

思いがけずゆっくり寝て,当初の予定よりだいぶ遅れてアーツ・アンド・クラフツ展へ。上野でしかも土日ということもあり,割と混んでいた。
3年生の時の草光先生の授業で学んだゴシック・リヴァイヴァルやらアーツ・アンド・クラフツの思想の知識がまだ生きていて,見やすかった。構成も,イギリスで始まったアーツ・アンド・クラフツの運動が都市と田園地方でどのように発展し,またヨーロッパに伝播し,さらには日本の民芸にどのような影響を与えたかという感じで,良い意味で教科書的というか,1つの論文を読んでいるような展示だった。アーツ・アンド・クラフツの思想の根底にあるのは,日常で使う物こそ役に立つ物で,しかも美しくなければならないという考えなのだが(展示の最初にモリスの言葉が出ています),「美しい」がすなわち過剰なデコラティヴさにつながらないのがとても面白いし,むしろここで追求されているのは簡素な素材美であって,装飾をすべきところとしないところというのが峻別されているのがとても美しい。イギリスではやっぱり田園生活を思わせるデザインなのが,ヨーロッパに伝播する頃には少しレトロポップな感じになっていて,対して日本ではもう少し伝統的な色彩を伴うというのも,時代性と地域性を反映している感じだった。とても感動したのは,「三国荘」の内装(だったかな)。和室なのにチェック柄のクッションを取り入れていたり,完璧なまでの和洋折衷。基本は和なのだけど,和モダンとまでも言い切れないような,とっても絶妙な空間構成,まるで和カフェを見ているような。ともちゃんと2人で驚嘆。特にともちゃんは新居のインテリアを考える上で色々と審美眼を養ったようで,今回も素材に着目していたりした。一人暮らしだとそこまで見ないしねぇ。
上野のスペインバルでお昼を食べた後は,かつしかシンフォニーホールに後輩たちの卒演を聴きに行った。ことサークルに関しては純粋に聴きに行くことがあまりなくて,自分が演奏しない時には行かなかったりするほどの不埒者なのだが,今回聴いてみて,やっぱり聴くと考えることが色々あるものだなぁ,としみじみ思った。良い文章を書くためには良い文をたくさん読まなければならないというのと同様に,良い演奏をするためには人の(生の)演奏をできるだけ多く聴いて,人に自分の演奏を「届ける」ためにはどうすればいいかとか,考えることも必要だなぁと実感した。そして同じ卒演でも,私たちの時とはずいぶん雰囲気が違うなぁ,というのが感想。質素で謙虚な感じ,もちろん良い意味で。そりゃ私たちはもう,見栄っ張りの集団だったからね,とともちゃんと話し合う。
その後はレセプションに参加したのだが,今日の私の所持金は最初からぎりぎりな感じだったにもかかわらず,臨時出費も重なって,なんと帰る時には所持金700円という惨めさに。いやね,特に男子大学生なんかが,「俺今日300円しか持ってなくて」というのは,よく聞くんですよ。で,なぜか男性の場合,それはすんなり親和性を持って受け止められるのだ。たぶん手持ちの現金が少ないということが,既存の価値観に縛られない豪快さとか,守りに入っていない攻めの姿勢とかを連想させて格好良さにつながるのじゃないか,というのが私の見解なのだがそれはまぁいいとして,転じて女性に置き換えてみましょう。もはやこれは計画性のなさに直結するしかないのですよ。女性が自分の財布を管理できない,もしくは計画でミスをするというのは,すなわち結婚しても家計を管理できない,などなどの諸々の負のイメージにつながってしまうのですよ。ああ,最悪。マッチ売りの少女の気分。とりあえず明日母に当座の経費を振り込んでもらう約束をして,りょーちゃんと歓談しながら帰りました。

今日の格言:「性の博物館よ!」

某氏の発言。