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You no Go

余暇

祖父母と妹と4人で,県北の湯郷温泉に行った。一泊二日で温泉なら,もうこれ旅館で日本文学を読む以外に何の贅沢がありましょうか。ということで,志賀直哉の全集を持って行ってみた。ただし出発前の土壇場に思いついて慌てて収納場所を探ったので,「城之崎にて」の収録されている巻は見あたらず,でもすっかり志賀直哉な気分だったので,「暗夜行路」の入っている巻にせざるを得なかった,という中途半端な感じだったが。
行きは私が運転してみた。2時間半くらいか,おそらくこれまでの運転歴で最長であろう。湯郷は美作(宮本武蔵の故郷です)にあって,道が単純なので全く疲れなかった。ただし心配がる後部座席の祖母と妹には,とりあえずシートベルトをしなければ命の保証はないと出発前に警告。途中道の駅みたいなところに寄ったりしながら2時間半北上し,着くとホスピタリティあふれるおでんの無料サービスがあった。
老舗なだけあって,お風呂はまったく小手先の種類の豊富さなどにこだわらない,シンプルに室内と露天の2つのみであった。ちなみにこの温泉は別名「鷺温泉」と言うのですが,これは鷺がこの地で温泉に入って傷を癒していたという故事からです。(自称)岡山観光大使より,ミニ知識でした。さらにちなみに,このホテルの温泉は「第一泉源」であるらしく,そう聞くと何とも言えず贅沢な気分になるのは,「1番」とか「第一」とかいった相対的価値を示す響きに殊更の執着を抱く見栄っ張り岡山県民だからであろうか(とか言ったら袋だたきにされるだろうか,でも岡山県民は向上心のあるいい人ばっかりです)。
足があまりよくない祖母は旅行の際に「部屋食」に拘って旅館を選んでいるのだが,今回も部屋食で,またしても食べきれないほどの料理を私一人が完食した(だって出されたものを残すなんて最低のマナーだと思いません?)。いつも思うけれども,旅館の夕食は量が多すぎる。
夕食のあとは少し休んで,妹と2人で岩盤浴へ。私は実に2年ぶりくらいの岩盤浴だったが,汗だくになった。新陳代謝はいいはずなんだけどなぁ。いいはずなんだけど。フロントに岩盤浴ルームの鍵を返しに行くと,今度は時間差でわんこそば無料サービスをやっており,私は先ほどの食事と岩盤浴中に飲み続けたミネラルウォーターのせいでもう何も見たくないほどだったのだが,食べ盛り17歳の妹が食べたがったのに付き合ってやった。やっと部屋に戻って,やっと持ってきた志賀直哉を開いたが,運転と,食事の際の飲酒と,さっきの岩盤浴でへろへろになっており,序を読んだところくらいで寝入ってしまったようだ。