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そんな彼なら捨てちゃえば?

映画


わざわざ日本版の,それもテレビCMを選んで載せましたのは,このCM(というか,「それは,君に興味がないから!」のピンポイント)を見るたびにそこはかとなくイライラしていたからです。みんな一緒にイライラしよう。
さて,レディースデーにこんな映画を見ると,漏れなく映画館は女性で埋め尽くされ*1,まるで「女性限定試写会」のようであった(試写会は外れたけどね,ふん)。それはともかく,これはアレですな!『10日間で男を上手にフル方法』と同じパターンですな!これだけでもう結構なことを言ってしまった気がするが,どのようにこの2本の映画が共通するのか気になる方はどうぞ映画をご覧ください。しかし割とよーできたラブコメで,ラストなどうっかり涙しそうにすらなりましたよ。
「全米が共感」だの何だのというキャッチコピーに恥じず,脈の読み方とか,勘違いの仕方とかの描き方がものすごくリアルで,私など共感を通り越して女であることが情けなくなったほどであった。共感できないという人は,きっと無意識にモテモテな幸せな人(そんな人は早死にするがいいさ)か,もしくは一度も恋をしたことがない人かのどちらかだろう。別れ際にこう言ってたのは何の意味があるのかとか,メールのこの一言はどういう意味かしらとか,飲み物を追加注文したのはひょっとして,もっと一緒にいてもいいという意識の表れかしらとか,そういうどうでもいいことをうっかり深読みしてしまう気持ちはよーくわかる。少なくとも私はそういうタイプなので*2。いやーほんとに,いらん気休めは無用だよなぁと中学の時から思っていたが,そうと知りつつうれしく思ってしまう乙女心というやつである。まぁでも,世の女たちは気休めと知りつつ気休めを求めているので,別にいいのだが。よく言われることですが,女性の会話は正答を求めている時と別に正答を求めているわけではない時とがあるのです。これを考えずに正論ばかりを言うと途端に煙たがられるので,慎重に会話の行間を読むことが必要です。
ただ私はこう見えて意外に自分に自信などないので,「脈」はそれなりに読んでも,この映画のジジのように「あの人私のこと好きかも」というレベルの「勘違い」まではしたことがない。というか世の人々がどうしてあんなに自信を持てるのか,逆に不思議なくらいである。「相手も自分のことが好きだ」という確信がなければ告白などしない,という意見が男女問わず多いけれども,じゃあその「相手も自分のことが好きだ」という確信とやらはどこからやってくるのか。私はどんなに贔屓目に見積もっても「あの人も私のことを『憎からず』思ってくれているだろう」か「少なくとも嫌いではないだろう」くらいにしかならない。これは恥ずかしながら,私が異性から広義のアプローチを受ける時というのはいつもこのパターン,要するに「君が僕のことを好きなのなら,僕もやぶさかではないよ」という,いわば「上から目線」のパターンだという苦々しさも手伝ってのことかもしれないが。
「あの人は私/僕のことを好きに違いない,そして自分も満更ではない」という勘違いが滑稽なのは,そのおめでたさにも増して,自分が主導権を握っているように思い込んでいながら実は相手が主導権を握っており,したがって当の相手がまったく自分に興味がないと知った時に激しく動揺して,やっと「あの人のことを好きなのは自分だった」と気づくという,自己認識の不完全さが原因なのだろう。だってそもそも,相手が自分を好きかどうか考え始める時点で,自分が相手に気があるというのは少なくとも明白なわけで。もちろん,「あの人は私のことを好き」かもしれなくて,それがもし勘違いだったら痛々しいけれども,でもどれほど痛々しかろうが滑稽だろうがどう見られたって構わない,「私もあの人のことが好き」だ,と最初から主体的に思えているのであれば,それは素晴らしい恋なのだろうけど。
そういうわけで,またしても面白い映画でした。今回もヨハンソン嬢はコケティッシュで美しかったし。私はあまり人と映画を見ないのだが,今回に限っては,女子会と称して観に行ってそのあとみんなでスタバにでも行って語らうべき映画だと思った。あと細かい見どころとして,この映画でも意識して各人種がまんべんなく使われている。冒頭の女の子の人種については普遍性を狙ってのことだろうけど,個人的にはメアリー(ドリュー・バリモア)の同僚のゲイ3人がそれぞれ白人と黒人とアジア系だったのが印象的であった。注意深いなぁ,と。

そんな彼なら捨てちゃえば

そんな彼なら捨てちゃえば

原作の恋愛指南書。面白そうなので見かけたら立ち読みしてみよう。

*1:うち2人くらいは男性だったが。前から何度も書いているかもしれないが,わざわざレディースデーに彼女に付き合って映画を一緒に見てくれるような,しかも彼女の好みとしか思えないようなこんな映画を一緒に見てくれるような彼氏をいつも見かける。愛があるなぁと思う。そんな彼は絶対に捨ててはいけません。

*2:友達のみなさますみません,こんなくだらない分析に付き合わせていたのかと,ようやく自覚いたしました。もう2度としないから許してください。