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ノルウェイの森

読書

ノルウェイの森(上)

ノルウェイの森(上)

ノルウェイの森(下)

ノルウェイの森(下)

「いや,べつに間違っていないよ」と永沢さんは答えた。「まともな人間はそれを恋と呼ぶ。もし君が俺を理解したいと思うのならね。俺のシステムは他の人間の生き方のシステムとはずいぶん違うんだよ」
「でも私に恋してはいないのね?」
「だから君は僕のシステムを―」
「システムなんてどうでもいいわよ!」とハツミさんがどなった。彼女がどなったのを見たのはあとにも先にもこの一度きりだった。

なぜこのシーンを引用したかというと,これ,高校の時の現代文の問題集だったかに出ていたからです。確か同じ問題集に浅田次郎蒼穹の昴』から,譚嗣同の処刑のシーンが抜粋された問題もあった。今考えるとええ問題集だったなぁと思う。いちいち感動的でした。そこには「なぜ玲々は刑場の皆が声を上げているなか,一人だけ声を上げなかったのか」とかいう四択問題があったような気がする。
さて,ついに読んでしまった。これで私もようやく大学生である。みんな村上春樹を大好きな理由がなんとなくわかった気がした。無気力感やら,厭世観やら,確かに大学生には魅力的な世界観かもしれない。私は生まれてこの方結構アグレッシヴに生きてしまっているので(たぶんそれが私の色気のなさの一因だと思われる),理解はできるけれども,それ以上の感慨は特にない。でも,決して嫌いではないです。むしろこういう作風は好きだと思う。現に,3時間半くらいで読み切ってしまったし。あとは,はにわさんのお勧め順に読んでみようかと思う。ただしかし,人がよー死ぬなぁ,と思った。どうもこの人は作中人物をさっさと殺しますね。
ところで上に引用したシーンであるが,永沢さん。自分は他の人とは違うと自負している人というのは概してごく普通の人間であるもんだが,永沢さんもまたごく普通の人間であったらしいなぁ,とここで思った。おそらくワタナベくんも,ここでそう思ったのであろう。ははは,まぁ本当に,システムなんてどうでもいいわな。