読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

浮かんでは消えてゆくありふれた言葉だけ

勉強

第二稿の制作に取り掛かったのは昨夜帰宅してからだが,試しに第3章をイチから書き直してみている(序論〜第3章の再構成は,もう少し頭が冷えてからやることにした)。いやー書くの久しぶりだなぁ,と思ったが,よくよく考えたら第一稿を脱稿してからまだ4日しか間が空いていないのであった。
昨日の先生からメールが2通届いていた。1通目は昨日のことで,2通目は草稿をご覧くださっての感想であったわけだが,「全体的に1つ1つのパラグラフのまとまりが悪い」「それぞれのパラグラフのテーマが不明瞭」などなど,いたって基本的なことばかりであり,もう汗顔の至りというよりむしろ顔が溶けてしまうんじゃないかと思われるほど恐縮した。これ,私が文章を書いて人に見せたら,いつも言われることなのです。要するに全く文章スキルが上達していないという何よりの証左なのだが。だって言いたいことがいっぱいあるんだもん。じゃなくて,それじゃあ論文として成り立たないので,とりあえず何とかしなければなりません。他にも主語述語の対応を確認することや,代名詞が何を指すのかはっきりさせることなど,これまたとんでもなく当たり前のことをご指摘いただいた。そんな草稿を先生にお見せした私と言うのは。いったい自分が本当に大学院生なのか,よくわからなくなってきた。聴講生……じゃなかったと思うのだけど。
先生がおっしゃるには,論文の最終段階とはひたすら「産みの苦しみ」であるようです。なるほど。確かに,言いたいことをうまく表せないというのは塗炭の苦しみであるのだが,とかく物事は二律背反であるもので,実は私,こういう時が一番楽しかったりもします。勉強に限らず,ピアノでも本番前1ヵ月というのは,ほとんどできているのにあと一歩できないとか,あと少しでもっとよくなるとか,そういうことが明確に見えていながら,しかしその一歩がうまくいかない。本当にあと少しに思えるのに,なかなか手が届かないものに向かって必死に手を伸ばすというのは,苦しくもあるけど結構楽しいもんです。個人的には。いろんな角度からの攻め方を考えたりして,しかしどれもこれもうまくいかず,と思いきや,ある日突然できたりする。私が運命論者になった一因であるかもしれない。要するに勉強もピアノも,最終的な出来がどうというよりは,自分が納得できるまでやれたかどうかが問題である気がする。納得できなければできないで,まだやればいいことで。早く書き始めておいてよかったと思う一番の理由は,結局それであろうと思う。期日が与えているもとで,その時点ではベストだと思えるものを提出できるという点で。まぁこれもピアノと同じで,「これで終わり」なんてなかなか思えないもんなのだろうけど。
……とか,こんな一見達観したようなことを言っている私も,冷静に考えてみれば十分おかしくなっているらしいということに,入浴しながら気付いた。まず執筆中だが,パソコンに向かってキーボードを打っていない時は,何事か英語で呟いていたりする。これは考えをわかりやすくするには英語で表わすのが一番だという恩師の教えによるものであるが,かといってI believe it is the most important achievement of the Irish language revivalists that they inspired literary figures, so their works can have Europewide impact I suppose, などとぶつぶつ呟いていながら,いきなり席を立ってウォークマンを装着して熱唱しながら洗い物を始めたりする私はきっとおかしいに違いない。一人暮らしでよかったと思う瞬間である。
さて,眼精疲労のあまり眼と頭が痛い。眼が痛いと言えば,ハイドさんは13歳の時こんな詩を書いている。

J'ai grand mal aux mes yeux,
Dit le brave D. H.
J'ai grand mal aux mes yeux,
Dit le brave D. H.
J'ai grand mal aux mes yeux,
Aux mes yeux si beaux et bleus,
Mais enfin je suis au bout,
Dit le brave D. H.

くだらなさすぎるので,訳はつけません。要するに「眼が痛い」と喚いている詩(?)です。ちなみにこの詩,あと2スタンザ続き,さらには未完であるのだとか(!)。まさかこの調子であと2スタンザ……
思春期の男の子が詩を書くのかどうか,私は知りません。しかし少なくとも女の子は何かと詩を書きたがるようで,私も同級生のものをいくつか拝読したことがあるのだが(私自身は,詩は読む専門ですので),そのどれも,これほどくだらなくはなかった。もっともかなわぬ恋やら失恋の痛みやら,似たような題材ばかりで辟易はしたので,その点「眼が痛い」だけで3スタンザ+αも書けてしまうというのは,それだけで驚愕ではあるが。