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ビブリオグラフィ

勉強

ビブリオなんて数時間で作ってくれるわ!と,ずっとほったらかしていたのだが,昨日はDCPをやったことだし,頭を冷やすのも兼ねてやるなら今かもしれない,と思ったので今日作った。書誌情報を書きうつすだけの単純作業は実に楽しく,喉の渇きも空腹もすべて忘れるような状態であった。振り返ると既に外は真っ暗になっていた。と言っても最近,食事が完全に「義務」と化しているのだが(空腹よりも「頭が働いていない」が先に感じられ,「ああ脳に栄養がいっていない」と気づく)。さらに,窓に背を向けた状態で机が置かれている我が家において作業をしていると,日が短くなった最近は,「さっき起きたのに振り向くと夜」ということが多々あってげんなりするのだが。
しかし頭を使わない作業は,たまにやると,本当に,これで生計を立てたいと思うくらい楽しい。実はそう思って内職の求人を調べたこともあったのだが,ちょっと人間の尊厳について考えるような単価が提示されていたので,これは内職に精通した方でなければ単なる悲しみの種になるだろうと思ってやめたこともある。しかし論文の最後のビブリオの作成というのは,「頭を使わない作業」の中でもちょっと格上というか,いくら単価が安かろうが「学術に貢献しているのだ」という感慨は得られる気がするので,この際開業でもしてしまおうかしら。しかし肩書が難しい。ビブリオグラファーだと「書誌学者」になってしまうのである。行政書士が「代書屋」とも呼ばれるのを参考にして,「学術書士」でいかがでしょうか?ああ,でも私は読書感想文請負業もやろうかと考えていた頃があった。ならばもう,幅広く「代書士」とかでいいか。この職業が世間的に認知され,さらに高い評価を得るようになれば,「代書師」になります。
……こんなバカなことを考えていたから愛想が尽きたのであろうか,家庭教師から帰ってきたら,蛍光灯が2本とも切れていた。うちの蛍光灯は40Wと32Wのもので,慌ててコンビニに向かったのだが32Wのしか置かれておらず,しかもパナソニックブランドのものでやたら高かった。背に腹は代えられないので32Wのだけ買って帰り,シェードを外して一晩32Wだけでしのぐことになった。蛍光灯を付けなおした時の明るさは感動的で,新美南吉の「おじいさんのランプ」を思い出した。

……ところでまもなく晩になって,誰もマッチ一本すらなかったのに,とつぜん甘酒屋の店が真昼のように明かるくなったので,巳之助はびっくりした。あまり明かるいので,巳之助は思わずうしろをふりむいて見たほどだった。
「巳之さん,これが電気だよ」
 巳之助は歯をくいしばって,ながいあいだ電燈を見つめていた。敵でも睨んでいるようなかおつきであった。あまり見つめていて眼のたまが痛くなったほどだった。
「巳之さん,そういっちゃ何だが,とてもランプで太刀うちはできないよ。ちょっと外へくびを出して町通りを見てごらんよ」
 巳之助はむっつりと入口の障子をあけて,通りをながめた。どこの家どこの店にも,甘酒屋のと同じように明かるい電燈がともっていた。光は家の中にあまつて,道の上にまでこぼれ出ていた。ランプを見なれていた巳之助にはまぶしすぎるほどのあかりだった。巳之助は,くやしさに肩でいきをしながら,これも長い間ながめていた。
 ランプの,てごわいかたきが出て来たわい,と思った。いぜんには文明開化ということをよく言っていた巳之助だったけれど,電燈がランプよりいちだん進んだ文明開化の利器であるということは分らなかった。

しかし1本で十分じゃん,蛍光灯。そもそも何で2本使いしなければいけないのだろう。