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書評と学振と

余暇

『告白』と『四畳半神話大系』の書評を書いていたら,1日のほぼ大半が過ぎ去った。『四畳半〜』の方はこの間この日記に書いたものをベースとして改編したけれども,『告白』はほぼ全面的に書き改めることになった。
この作業をしていると毎回思うのだが,1000字前後という字数は,読んでいる方にはまとまりがよく,書く方にはまとめづらい字数である。ある意味で50分授業にも似ているかもしれない(受けている方には長いがやっている方には短い)。そして今回,もとあった原稿をいじるという形で書評を仕上げたため新たに感じたことなのだが,ゼロからものを書くよりも,もともとの原稿を書き改める方が若干の労力を必要とする,ということもあるかもしれない。定期的にものを書く(しかも一応,公の場でものを書く)機会が与えられているというのは幸せなことであります。
ものを書くと言えば世間は学振の季節なので,私も後輩の申請書を添削するという光栄(?)に浴したのだが,そういえば私も1年前のこの時期は必死でこれをやっていたなぁと思うと感慨深いものがある。レイアウトを取るか,内容の充実を取るかという究極の選択で悩むのは誰でも同じであるようだ。
私も何人もの先輩方に何度も見ていただいてようやく完成させたので,あまり偉そうなことは言えないが,偉そうにもここで思うことを述べさせていただきます。まず,とにかく審査員の身になって読みやすさ・見やすさにこだわった方がよろしいかと思います。それに内容についても,充実していたら長くなるのかというと必ずしもそうではない。これは先に述べた書評についても論文についても同じだし,ましてやダラダラと長いだけの私の日記などご覧になれば一目瞭然であろうと思うが。充実していながら簡潔な文章など,世の中にはいくらでも存在するわけです(研究の結論なんて,理想的には一文で表せるべきなのだし)。つまり,レイアウトと内容の充実は両立可能です。これは書き終わってみれば当たり前のことなのだが。私も,初稿を書いた時はもうこれ以上削れない,これで精いっぱいだと思っていたが,最終的には贅沢にインデントを付し,小見出しは12ポイント+太字で書き,おまけに上下左右にはマージンまでも設けることができました。
あと忘れてならないのは,これは言うなれば企画書である,ということだろう。自分がやろうとしていることをただ聞いてもらうだけではなくて,(決して安くない額を)出資する価値があるものだと認めてもらわなければならないのだから,何よりも「なんか面白そう」と思われうるものを書く必要があるかと思われます。ちなみに,私は申請書を書くにあたって「企画書の書き方」的なビジネス本*1を何冊か立ち読みして,言いたいことを簡潔にまとめ,人の注目を惹くノウハウを学びました。結構勉強になります。
もうあと2週間くらいしか時間が残されていないようだが,できるだけマニアックに「究極の申請書」を作るつもりで取り組まれると楽しいかと思います。決して少なくない額がかかったものであり,博士の明暗を分けるものであるのでプレッシャーはプレッシャーだが,ハマると大いに楽しい作業です。だったらいっそのこと,楽しんでください(どうせなら楽しくやろう,は私の基本理念です)。脱稿した時の達成感は何物にも代えがたいものがあります。みなさまのご健闘をお祈りしております。

*1:それも,できるだけ短い企画書を指南しているもの。例えばこんなのとか。

A4・1枚究極の企画書―伝わる!通る!夢が叶う!

A4・1枚究極の企画書―伝わる!通る!夢が叶う!

これそのものではなかったかもしれないが,「A41枚」で企画書をまとめるタイプの本には結構学べることが多いと思う。