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文学部ガイダンス

学校

金曜は2限で終わりなのだが,今日は18時から駒場で開かれる文学部ガイダンスに西洋史学研究室を代表して派遣されるという大役を仰せつかっていたため,5時間近く(!)図書館で暇をつぶしてから指定の教室へ出かけた。
文学部ガイダンスにおける私たちの役割とは,進振りを控えた2年生たちに対して自己の属する研究室,およびそこで得られる学問経験の素晴らしさを説き,より多くの迷える子羊たちを文学部へと誘拐……じゃなくて誘導するというものである。そもそも私たちが2年の頃は研究室の学生自体来ていなくて,教室に集まって各研究室の先生方のお話を聞くだけだったような気がするので,実際の学生が駒場まで出張するということ自体に気合いを感じるのだが,特に昨今の,定員割れまで起こすほどの文学部不況のあおりを受け,今回は特に気合いを入れたらしい。なんと私たちにはポスターやパンフレットの作成,およびそれに付随するプレゼンが課せられていた。ちなみにこれら,優秀な研究室については「ベスト・ポスター賞」「ベスト・プレゼンテーション賞」が準備され,それぞれに賞品・賞状・記念品が贈られるというシステムになっており,競争論理まで持ち込まれていた。
ガイダンスは13号館で行われるのだが,まず3階の1331教室において全体の説明がなされ,2年生たちはそれを聞くことになる。私たちはその間,1階のロビーでポスターを貼ってその前に待機しており,全体ガイダンスが終わって降りてきた2年生たちがそれらのポスターを見に来るので,適宜つかまえてそこで話し,興味を持ってくれた2年生はさらに奥の教室へ行って,興味のある研究室のコーナーで話を聞くという流れである。まぁ要するに,入学後のサークル勧誘を思い浮かべていただくとわかりやすい。驚くべきことには「文学部ウィンドブレーカ」までTAの人数分用意されており,私たちはそれを着て勧誘するので,もうサークル勧誘そのものであった*1
さて,実は文学部でも人気のある研究室である我らが西洋史学はまぁ割と胡坐をかいていたというか,ポスターを作ってくれるとありがたいというメールを受け取りながら作ろうという話が出ることもなかった。水曜に研究室を訪れた私が「じゃあ学振で使ったポスターを使いましょうか」と提案して初めて,ああそれいいかもしれない,とポスター使用の話が動き始めた程度であった。というわけで我々は,私ともう一人の先輩のポスターを携えて会場に向かったのだが,甘かった。まず,そもそもポスターは「貼るもの」として扱われており,もし私たちがポスターを持っていなかったら一気に浮いた,というか存在意義がなくなったことは間違いない。そして何より,各研究室のポスターへの熱の入れようたるや,すごかった。デジカメを持っていればよかったのだが,まさかこんなにがんばっているとは思いもしなかったので当然持っておらず,携帯をデジカメモードにして撮影したヒューマニズムの熱気が以下の通りである。

 
  
  
    
まず最上段,独文からはP会同期であり西洋史の学部までの同期でもあるあやちゃんがいらしていたのだが,彼女いわく「パワポを使ったこともないのに1日で作らなきゃいけなかった」とのこと。しかしそんなクオリティには見えませんよ,大丈夫大丈夫。
続いて2段目の西洋古典学,なんかもうプロっぽいんですけど。展覧会案内みたいなんですけど。続いて南欧,これはまたすっきりしたまとめ方,さりげなくあしらわれたイタリアカラー(赤・白・緑)がオシャレである。
次いで3段目,スラヴ語スラヴ文学のポスターは今回の展示の中でも特に気に入ったもののひとつである。言語学は研究室紹介ポスターの鑑とでも呼べるようなポスターで,私がしきりに感心していたら「院からでもいかがですか」と勧誘された(どうも4年生と思われたらしい)。恐縮ながら博士課程学生でして……。それからインド語インド文学,こんなファッショナブルなイメージは(失礼ながら)なかったのだが,そのイメージは思いっきり覆された。
4段目はもはや,ベスト3と言ってもいいのではなかろうか。まず哲学研究室,この研究室の撮り方は反則でしょう!これはもう,ホテルや旅館の撮影方法ですよ。なんか,なんともいえぬレトロ感が醸し出されているし。それから考古の「Digging for the truth」というスローガン(?)は,否応なしに心を打ちます。どうせなら「Dig for the truth(真実を求めて掘れ)」と命令形にした方がよかったような気もするが,まぁ大きなお世話である。そしてなんといっても,我らが歴史文化学科から日本史学研究室さん,あらっ?こんなファンキーな研究室でしたっけ?ちなみに,同行した西洋史の後輩が「僕こういうの待ってました」としきりに絶賛していた。
5段目,中文はなんだか大中な感じというか,我々女子が中国旅行をしたときに目を輝かして買い求めるチープでキッチュな雑貨の感じで(決して悪い意味ではなくて,むしろ褒め言葉で)かわいい。かと思えば美術史,王道を行った感じである。美芸はなんだかクールモダン。
最下段はインド文学のもう1枚(もうなんというか,かわいいとしか言いようがないっす),それから最後にポスターを舐めきっていた私たちが持って行った学振用ポスター。僭越ながら上の方が私のです。よみがえる去年秋の思い出*2。しかし研究室紹介をすべきポスターでいきなり研究発表,意味不明であるがもうこの際仕方ない。ちなみに私のポスターは南欧文学研究室と同じ発想で,アイルランドカラー(緑・白・オレンジ)を基調にしていまして……(アピール)。
さて,会場で他の研究室のポスターを目の当たりにし,もはや諦めかけていた私たちであったが,2年生の受けは上々であった。というのも,こんなことを言ってしまうと手のうちを明かしてしまうことになるのだが,どうやら研究内容を詳しく書いていた方が,どんな研究をしているか具体的にイメージが出来たようなのである。パンフレットは一瞬にして売り切れ,話を聞きに奥の部屋に入る人たちも多かった。非常に手前味噌ながら,「アイルランド」という対象は興味を惹いたようで,多くの2年生に面白そうだと言っていただけました。ポスターセッションはまだやったことがないけれども,なんかちょっとそれを体験した気分であった。これがポスターセッションか,ならばもう一度。くだらぬ自己満足は置いておいて,多く寄せられた質問は「西洋史だったら外国語ができないといけないんですか」というものであった。できるに越したことはない,としか言えない。私の第2外国語がスペイン語であり,ドイツ語とフランス語もひと通り学んで,今はアイルランド語を勉強しているという話をすると一様に驚嘆され,「そんなに使いこなすんですか!」とまで言われるのだが,悲しいことに言語を学ぶのと言語を使うのとはまた別のお話です。「読めと言われれば読めないこともない」レベルです。書いていると本当に悲しくなってきた。
どんなもんやらと思っていたが,大変和気あいあいとしていて楽しいお仕事であった。これで今年はより多くの2年生が文学部に,できれば西洋史に,来てくれるといいのですが。

*1:もっともこのウィンドブレーカに関しては,こんなところに金をかけるのなら他のところに金をかけろという声がちらほら聞こえないでもなかったのだが。

*2:id:taoizm,その節はありがとう!