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雨の日に聞きたいトッカータ

音楽

舞ちゃんがお帰りになり,私は1日ゼミの準備に追われていたので,今日は私の中での「雨の季節に聞きたい音楽」のひとつであるトッカータ,しかもその中でもお勧めなものをいくつか紹介させていただくということにしましょう。というのも近隣住民の誰かがおそらく毎年この季節になると『雨だれ』を弾き始める(梅雨だからなのか,それとも純粋に課題なのかは知るよしもない)もので,ショパンの「甘ったるい」「名曲」が結構苦手な私としては割と苦役なのである。特にこんな,家にこもって課題をなさなければならない日は。確か中国の拷問だったか死刑だったかで,囚人を寝かせてその頭すれすれのところに延々水滴を垂らし続ける→まもなく発狂/狂死,というのがあったように思うのだが,毎日どこからともなく,何時間にもわたって聞こえてくる『雨だれ』も,そのうち発狂するのではないかという恐怖を煽って余りあるものがある(しかも困ったことに,演奏者の方はどうも中間部がお好きなのである……)。まったく,雨の日に『雨だれ』と『雨の庭』だけは聞いちゃいかんですよ。そんな安直な。

さて,私が雨からトッカータを連想する(トッカータから雨を連想する)理由も,実はとんでもなく安直なのだが,ピコピコした音(の並び)が雨音を思わせるからです。そのピコピコの中でも非常にメロディアスなトッカータを作曲なさったのは,もう名前からして「ロシア五人組」のリーダーというマッチョな役割にふさわしいバラキレフさんです。実は楽譜を見るだに恐ろしいこの人の超難曲『イスラメイ』より好きだったりします。いつか弾いてみたい,と思って後輩かけるくんから楽譜をいただいたのはもう数年前のことになる。思い出したついでに,ついに譜読みをしてみようかしら。

ロシアを出したからにはこの人を忘れてはいけない,ピコピコと言えばさらにこの人を出さないわけにはいかない。プロ子のトッカータです。どうでもいいけどこの写真のアルゲリッチはなんだかペネロペ・クルスを思わせる蠱惑的な表情である。

そりゃ,栄えあるラストはこの人ですよね。この曲を課題に指定され,譜読みしている時にはもう,何度「先生に見捨てられたのだ」と思いこみ,何度「私なにやってるんだろう」と思ったことか。ちなみに平原綾香は最近のアルバムで『仮面舞踏会』に歌詞をつけて歌っていた(「大分香りの博物館」でかかっていたのを聴いた)が,せめてこのトッカータに歌詞をつけて歌うくらいのことをやってくれたら,私もアルバムの1枚や2枚聴いてみようかという気になるかもしれない。

こちらはどこかのマスタークラスの映像である。私はスペイン語を2年間学んだ経験があるので,動画でこのマスタークラスを受講することができる!
なぜか全部ロシアものになってしまったのは,別に狙ったわけではない。ちなみに私はサークルの演奏会でこそ(ロシアものを)ハチャトゥリアンしか弾いていないが,ピアノを始めた時に教材として用い,しかも最初の演奏会で弾いたのはカバレフスキーだったので,実は「生え抜きのロシアもの奏者」と自称することもできるはず。それからバッハやラヴェルが入っていないのは,私などが書くまでもないからです。