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笹クエストの顛末

余暇

今年は最寄りの駅に七夕の笹が出ていない。一昨年も出ておらず,2007年と2009年はどちらも進学を祈願した覚えがあるから,隔年なのかもしれない。しかしながら七夕の笹に書いた願い事の成就率は今のところ100%なので,今年もなんとか笹に想いを捧げて何事かを成し得たいものである。そう思って7月の最初あたりから注意深く見まわしており,実際にいくつか笹を飾ってあるところを見つけたのだが,これがどうも親しい人に見られる可能性のある場所*1ばかりで,無防備に願い事をぶら下げるには少し心許ない。毎回この日記で写真で紹介しているくせにと言われそうだが,自分から公開するのと思いがけず親しい人に見られるのとでは天と地ほど違う。しかしもうそんなえり好みをしているうちに七夕まで日がなくなってきてしまい,今年はもう無理だろうと半ばあきらめていた。
しかし前日の今日になって,ようやく申し分ない笹を見つけたのである。まず立地がとてもよい。特Aランクのその立地は,着付け教室に通うために週1度利用している東京メトロ人形町駅。この駅で私の短冊を,私のことを知っている人に偶然見られ(,そして私のものだと判別され)る確率など,よく比喩に用いられる宝くじの1等が当選する確率……よりは高いかもしれないが,決して高くないことは確実であろう。おまけにこの笹,駅だけでも申し分ないのに,駅のさらに物陰のほうにひっそりと立っていて,その慎ましやかな立ち姿に私は再度心打たれた。わたくしなどでよろしければ,僭越ながら貴殿/貴女のお願い事を叶えて差し上げられるかもしれませんわ,微力ながらお力添えさせていただきます,とでも言わんばかり。これぞアジアンビューティ。「巨乳美少女になりたい」などというハレンチな願いが堂々と店の真ん中に掛けられていたあざみ野駅ランキンランキンの笹とは全然違う。七夕を翌日に控えての邂逅も,もう「私に願いを託して」と言わんばかりである。絶対願いが叶う気がする。いや叶うに違いない。
と,すっかり人形町駅の笹に魅せられた私は,既に着付けの予約時刻に遅刻している身でありながら,あわてて短冊に願いを書きつづり,笹にかけた。博士に合格した時,ロシア史の先生から「もう入試とかないでしょう,入試ほどわかりやすい目標がないっていうのも,それはそれで大変だよ」と言われたが,確かにその通りだと思われた。絶対にいつまでに達成したい,という確固たるタイムリミットを持った目標がない。短冊にも何を書くか一瞬迷ったが,とりあえずは目先の目標を書いた。大きなヴィジョンは描いておいて損はない,というか描かなければいけないだろうが,まずはひとつひとつ,今の自分にできることからですよね。

*1:例:あざみ野駅ランキンランキン→ピアノの先生に見られるかも