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iPod touchが届いた!

余暇

震える手で購入決定クリックをした最新型iPod touch,ついに今日届いた。
震える手というのは,割と高額だからというだけが理由ではない。もちろんそれも大いにあるのだが,それよりはむしろ,未知の領域に足を踏み入れることにどきどきしたのである。私の周りにある「最もデジタルなもの」など,まぁパソコンか携帯かというところで,Kindleにも特に興味はなかったのに,ついにこうした新世代的な「ガジェット」を手にするにいたった。いいのかな。いいのかなこんなの買って。非常に卑俗な例で恐縮なのだが,例えば初めてアダルトなビデオを目に/手にする少年は,もしかしてこんな気持ちなのではないだろうかと思うような感じである(私は女なのでその心境は想像するしかないのだが)。経験値が上がるうれしさと,一抹の罪悪感と。しかしこんな罪悪感,感じているのは私くらいのもんだろうか,普通の人はもっと欲しいものを手に入れるときわくわくするものだろう,と不思議に思っていたら,たまたま読んでいた本にまったく同じ描写があって,思わずあっと声が出そうになった。

もうおうちへかえりましょう (小学館文庫)

もうおうちへかえりましょう (小学館文庫)

初めて一万円以上する本を買ったとき,どきどきした。初めて浮気をするときや,麻薬を打つときもこんな気持ちになるのだろうか。一線を超える罪悪感と自己拡大感が混ざった興奮である。

そう,そう,そうなのだ。罪悪感というのはなにも,ただ「こんなに浪費しちゃった」ではない(それにこれはそもそも研究用に買ったのである)。新しい装置を手に入れる時,私は機械音痴なのでなおさらなのだが,なにかこう,「一線を超える」感じがある。しかしそれは同時に,自分のレベルが上がる嬉しさでもあるのである。だからクリックするときは何回も逡巡し,挙げ句の果てに「私はこれを押してもいいものか」と妹に尋ねたほどであった(実家のPCから購入した)。押してしまったらもう2度と戻れないという気がして。その割にしっかり,自分の名前の刻印まで頼んで(アップルストアで購入したので),返品不可にしたのは私自身なのであるが。ほらだって刻印があれば盗難の歯止めになるかと思って……。どうせ盗難防止ならもっと,持っているのがこっぱずかしい刻印にすればよかったかしら。「るみ☆しょーた☆ちょー愛してる☆」とか。人名はもちろん架空である。私自身が持つのが恥ずかしい。
くだらない話は置いておいて,とにかく今日は,注文していたiPod touchが届く日だったのである。とはいっても今日私は登校していたので,おそらく一度は不在届けを入れられる。私はそのシーンまでシミュレーションしていた。無造作に宅配ボックスに入れられるというパターンがいちばんダメだ。あ,おかえり,待ってたよ,と言われんばかりだ。案の定帰宅してみると不在届けが入っており,私はとりあえず精神を安定させてから電話をかけた。一度目では担当ドライバーにつながらなかった。二度目にかけるとようやく出てくれたのだが,少し立てこんでいるので2時間ほど後になるという。2時間。心の準備には最適な時間である。「不在届けを見て担当ドライバーに電話をし,少し時間を空けてから届く」のは私が夢想していた中で一番望ましいiPod touchとの出会いであった。完璧である。
かくして届いたiPod touchは,私が思っていたよりずいぶん小さい箱であった。その段ボールの中には,見事に本体(とイヤホンとコード)しか入っていなかった。おお,これがうわさに聞く「取扱説明書なし」。マック製品は学校のPCくらいしか触ったことのない私が,いきなりマック製品の中でも最先端のものを,しかも取説もなく無事に使いおおせるのかというのはものすごい懸案事項であり,注文する時や届く時の「どきどき」の4割を占めていたと言ってよい。このために私は予習までしていたのだ。しかしやはり,座学と実地訓練はなかなか結びつきづらい。電源の入れ方もよくわからない,電源が入ったら入ったで今度はitunes storeにアカウントが作れない,などなど,当たり前すぎて予習すらしていなかったところで足元をすくわれ続けるのである。「マックの傘下には何があっても入らない」と妙な意地を張って,mp3プレイヤーもWalkmanを選んだばかりに(というわけでもないだろうが),無用なあたふたを経験する羽目に。Walkmanはそうでなくても大変使いやすいので重宝しているのだが,やはりみんなが選ぶものを選んでおくものである。しかしどうにかこうにか慣れ,無事にアプリも色々とダウンロード&インストールすることができた。よかった,まだ「端末がからきしダメ」な齢にはなっていなかった。
しかしこれ,楽しいですねぇ。タッチパネルだし鏡面仕上げだし,とにかく指紋がべたべた付くのが気になるけれども,それにしたってこのアプリの充実ぶりはなんとしたこと。ストアをただ眺めているだけで楽しい。アイルランド語関係を中心に,すでに12個のアプリが入った。ああ楽しい。使いこなすにはまだまだ時間がかかるだろうが,でも楽しさがわかったのだったら,案外早いかもしれない。次はどんなことをしようかしら。どきどきはわくわくに変わりつつある。