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一人ぼっちが切ない夜 論文を探してる

勉強


スピッツ強化月間です。
東大図書館がProQuest Dissertations & Theses Full Textというデータベースを入れてくださったらしい。その名の通り,学位論文のフルテキスト検索&ダウンロードができるという,なかなか小粋なサービスである。トライアルを開始したというメールが届いていた。さっそくアクセスして,自分の研究に関連する言葉をちらっと入れて検索してみたのだが,なるほどこれは有用である。理系の場合はどうだかわからないのだが,おそらくは人文系の多くの学問の場合,未刊行学位論文が欲しい時は図書館を通して代行出版社に発注し,しばらく待ったのちに大枚の金貨を支払って(だいたい1冊1〜2万円くらい)ようやく手に入れるという,いろいろと不便な思いをしなければならないのである。先ほど見た時も,去年修論を準備するために私が取りよせた論文が,1冊1万円ずつ支払って手に入れた2本の論文が,思いっきりデータベースに載っていた。しかしながら,もうこれしきのことでは,顔色ひとつ変わらなくなってきました。親の臓器移植にあと2万足りなかったのに,このせいで2万円が払えなくて云々とかいう事情ではないのだから,別にいいじゃないか。その昔,ある貴顕のご婦人はこう言い放ちました。データベースがないなら,出版社に頼めばいいじゃない。日進月歩の世の中で,またひとつ便利なものが使えるようになったという,ただそれだけのことである。
ところで,私がこの情報を得たソースでもある,東大の情報基盤センター図書館電子化部門学術情報リテラシー係の発行している『Litetopi メールマガジン』だが,これがなんというか,涙ぐましいほど懇切丁寧なのである。講習会,トライアル開始のお知らせはもちろんのこと,最近など「知って使ってシリーズ」というコーナーまで設けられて,もう抱きしめたいほどである。この「知って使ってシリーズ」,なにかと言うと,つまり導入はされており,便利に使うことができるのに,あまり知られていないために「宝の持ち腐れ」状態になっているデータベースを広く啓蒙し普及しようという,ものすごくいじらしいシリーズなのである。基本的にはデータベースの紹介だが,最近のメールでは「駒場に居ながらにして柏図書館の本を借りられます」,つまりキャンパスローンサービスの紹介をしていた。人生もいよいよ四半世紀に入ろうかという頃になり,私も数多くのメルマガに登録したが,それらはいつもため息とともに一瞥もくれられずに(いや一瞥くらいはするか)ゴミ箱フォルダへ入れられ,あまつさえゴミ箱まで空にされるか,いよいよ鬱陶しくなったら配信停止されるかのどちらかであった。消去するどころか,読まないと罪悪感すら覚えるメルマガなんて,生まれて初めてである。作り手側の一生懸命な気持ちが伝わってくる。受け取るたび,図書館の電子化情報よりも大切なものを教わる気分である。