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時給換算

余暇

以前,学振からいただいている研究費を「時給換算」するといかほどになるか,という話題が飲み会で持ちあがったことがあった。これはすなわち,1日あたり何時間研究に費やしているかということになるのだが,純粋な研究と「準研究」みたいなもの,それに研究室の仕事などもかなりごちゃごちゃに織り交ぜられているので,よくわからない。よくわからないというのはすなわち,わかるほどやってないということでもある。1日何時間やってますと,胸を張って言えるくらい研究に没頭しなければなぁといつも思います。量より質だなんて偉そうなことが言えるのはそれなりに実績を残してからで,新米のうちは質より量でしょうよ,圧倒的に。
しかしそこへいくと,同じマンションの音大生さんたちはすごいです。休みの日は1日中ピアノ弾いてます。労働基準法にひっかかるほど(?)弾いてます。しかも同じ曲を延々と。前にも書いたラフマニノフ『楽興の時』第4番,しばらく聞こえなかったと思ったらまた聞こえ始めた。あんなにやかましかった『楽興の時』なのに,聞こえなかったらとても寂しくて,ついに音源を求めてしまった(ばっちりウォークマンに入っている)。しかしいよいよ本番前なのか,再開してからは今までにもまして凄まじい。今日は夕方頃風邪薬を飲んで少しばかり寝ていたのだが,その数時間ずーっと『楽興の時』が耳元で聞こえていた。新手の拷問かと思ったほどであった(不幸なことに,たぶん結構部屋の近い人が弾いている)。しかも,ようやく『楽興』奏者が少しばかり疲れてくれたのか聞こえなくなった……と思ったら,別の誰かが『パガニーニの主題による変奏曲』を弾き始めた。超絶技巧系はもうお腹いっぱいすぎて,このままでは発狂しかねません。誰かバロックを弾いてくれ,頼むから。
ところで『楽興の時』はラフマニノフが「目先の金欲しさに」作曲したものであるとかいう話を聞いたことがある。道理で,「こういうのが好きなんだろ?こういうのが欲しかったんだろ?じゃあくれてやるよ」とでも言わんばかりのサディスティックな作風である。あああー悔しいけどステキー。やっぱりこの曲は男性が無表情で淡々と弾かなければなりません(上手なのは大前提)。悶えよ乙女たち。