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負けないでほらそこにゴールは近づいてる

余暇

笑いだしたくなるほどに暑い午後であった。わたしは昼過ぎからの書評紙編集会議へ急いでいた。会議は二食上階の会議室で行われているので,それがある日は龍崗門を利用しているのだが,病院にさしかかるあたりで右足に違和感。さっきから,なんか,歩きにくい。ふと見下ろして真っ青になった。わたしが履いていたウエッジソールのサンダル,右足のソールがもげかかっていたのであった。どうしよう。修理。でもこのへん修理屋さんがない。会議にも遅れてしまう。第一,このままだと歩くことすらできない。わたしが履いていたサンダルは高さが10cmくらいあるものだったので,片方のソールが取れてしまうと落差がものすごいことになってしまうのである。背に腹は替えられぬ,と思ってわたしがやったことは,もう片方のソールをもぎ取ることであった。難なくソールは取れた。別にわたしが怪力の持ち主であるわけではない(ピアノを弾くから握力は強い方ではあるが)。もともとサンダルは通販で購入した安物だったことに加え,しばらく履いていなかったこともあって老朽化も進んでいたらしい。惜しいとも思わなかった。バランスがよくなったところで気を取り直して,書評紙編集委員のメーリングリストへ向けて「靴が壊れたので応急処置をしてから向かいます」と遅刻する旨を送信。それからUターンしてさきほどくぐった龍崗門を抜け,本郷三丁目交差点付近の「マルセイユ靴店」(なぜマルセイユなのかいつもわからない)に駆け込んで適当なグラディエイターサンダルを購入。店主のおじさんはとても温かい方で,わたしの壊れたサンダルを処分してくれたばかりか,「まぁ飴でも食べて」とのど飴を2つくれた。誰ですか,東京は冷たいところだなどと言うのは。かくしてわたしは意気揚々と新品のサンダルで登校に再挑戦し,書評紙の編集会議にも間に合い,また夕方は駒場に移動して読書会にも参加し,そのあとの飲み会にも参加することができました。
厚労省村木厚子さんが最新刊『日経WOMAN』の「妹たちへ」を執筆なさっているのだが,絶望的なときこそ,目の前にあることをひとつずつ片づけていくことしかないし,結果的にはそれが気持ちを強く持つことにつながるのだと書いていらした。まったくもってその通りだなぁと,不遜にもサンダルが壊れたくらいのことで実感いたしました。パニックになった時は,焦らずに目下の問題を(頭の中ででも)リストアップして,ひとつひとつに解決策を講じることが大切ですね。片方のソールがもぎ取れて歩きにくいのであれば,もう片方のソールももぎ取るとかね。女性のみなさま,街中でウエッジソールが壊れた際にはぜひお試しを。もっとも,隣に男性がいる場合は,おすすめしないけど。