読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

姉の結婚

読書

姉の結婚 1 (フラワーコミックスアルファ)

姉の結婚 1 (フラワーコミックスアルファ)

物語の登場人物の年齢というのは自分と同年代か少し上くらいでないと,うまく感情移入できませんね。『バクマン。』は面白かったが,物語の最初で主人公が中学生だし(ジャンプだから当たり前か),いろいろ他の登場人物が出てきてからもほとんどが若年層だったので,感情移入という点ではイマイチだった。さしたる挫折もなく夢を追い続ける設定もただまぶしいばかりだった。友情・努力・勝利。
そこへきてひさしぶりにフラワーのマンガなんかを読んでみますと,ああ,やっぱり,繊細さがとても心地いい。主人公岩谷ヨリは東京でなんらかの傷を負って(おそらく恋愛関係)40を目前にして故郷「中崎県」に帰ってきた図書館司書であり,余生を故郷で穏やかに送ることがただひとつの目的というなんとも枯れた女性である。しかしそれにしても,女を捨てて(と自分では思っている)恋愛も結婚も諦めた(と言っている)40手前の女性がこんなに可愛いことはなかなかあるまい(というのは西炯子のマンガを読んでいつも思うことだが)。どう見たってこの人,小西真奈美的な美人ですよ。
ファンタジーはまだまだ続く。中学時代,自分に片想いをしていた離島の診療所の一人息子(医者の息子なのに成績がイマイチでモジャ毛で暗くて生っちろくて太っていてあだ名は「ホワイトポーク」略して「ホワイト」という設定),真木誠と再会するのである。しかも彼はモデルか芸能人かと見まがわれるほどの変身を遂げており,憧れていたヨリに気づくや,あの手この手で彼女に強引に迫る。ああそうか,設定こそ大人になっても,少女漫画の核というのはいつまでも変わりませんね。「ひさしぶりの再会」「冴えない相手が大変身」「強引に求められる」。しかし真木は妻帯者(しかも相手はヨリに瓜二つの女性)。さあどうなる。
娚の一生』といい今作といい,こんなのばっかり読んでいたらうっかり30代後半の自分の人生に幻の光明を見てしまう。いかんいかん。しかしながら,次巻がとても楽しみです。11月発売予定か,長いなぁ。