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明晰でないないもの

勉強

専門分野の勉強に行き詰まったら,隣接分野の論文を読むなどして息抜きしております。今日はCiNiiで拾った日本史の論文を2つ読んでみた。井上馨*1森有礼*2について。欧化政策ツインズ。
特に中須賀論文の方,馬場辰猪の『日本語文典』の編纂が,日本語が明晰かつ論理的に物事を示しうる言語であることを示す目的を持ったものであったり,また馬場が自由民権運動にも身を置いていたりなど,色々と勉強になりました。さらに馬場が英語公用化論に反対するためにウェールズアイルランドスコットランドの例を持ち出し,その人々が英語と母語との2種類の言語を学ぶことによって「貴重な時間を無駄にしている」と考えていたということがわかったことは棚ぼた的収穫であった。

「明晰でないないものはフランス語ではない」(Ce qui n'est pas clair n'est pas français)という人口に膾炙した,フランス革命直前1784年のリヴァロール(Antoine Rivarol)の有名な言葉を念頭においたかどうかはこの随想だけでは判断できないが,……(11頁)

という可愛い誤植を発見して嬉しくなったりもしました。

*1:永井秀夫「鹿鳴館と井上外交」『北海学園大学人文論集』第2号,1994年3月,21-44頁。

*2:中須賀徳行「母語コンプレックスと言語分裂国家―馬場辰猪の森有礼に対する反論に寄せて―」『岐阜大学留学生センター紀要』2011年,3-15頁。