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天城越え

読書

黒い画集 (新潮文庫)

黒い画集 (新潮文庫)

天城越え」を初めてきちんと読んだが,こんなお話だったのですね!この短編集の中でも地味な部類に入る小説だが,何度も繰り返し映像化されたのも頷ける。推理小説の体を取りつつ,初めてひとりで旅をする不安や,15,16歳の少年が年上のお姉さんに惹かれる繊細微妙な気持ちが描き出されているあたり,なんというかすごく芳醇な物語だなぁと思わされました。下手をすれば『伊豆の踊子』よりも味わい深い作品ではなかろうかとすら思ってしまう。「今の衝撃は死ぬまで時効にかかることはあるまい」という,結びの美しい文句が醸し出す余韻ははかりしれない。
天城越え [DVD]

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田中裕子版が名作の誉れ高いが,ぜひともニノのやつを見なければ。