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そしてわたしもまた,そうだ

半澤暁くんのファンのお友達が欲しいなと思ってたまにTwitterで検索しているのだが,半澤くん(現在20歳)のファンはそれはそれは若い子たちが多く,「96line」とかそういう表記を見てはすぐに逃げ帰っているのである*1。そういうわけで,いまだに私の半澤担(私はこれを「ハンザワーナ」と呼んでいます)のお友達は2人だけである。

それにしてもユーザーが若くなればなるほど目立つのが「リムーブ」されることに対する極端な拒否反応である。私はもうそのどれもが理解に苦しむことばかりなのだが,まず彼女らは「リムーブ」という行為そのものを絶対悪と考えているようである。よく見かけるものを順不同で書いてみると,

    • お別れは(リムーブではなく)ブロックでお願いします
    • リムーブするなら最初からフォローしないでください
    • フォローバックしないからってリムーブするなんて最低
    • リムーブされたらこっちもリムーブ/スパムブロックします

こんなところだろうか。実は最近ハンザワーナさんを検索していないのだが,検索すると十中八九こんな文言に行きあたって無用なダメージを受けるからというのがその主因でもある。もっとも恐ろしいものになるとこういった文言を「定期ツイート」として流している人までいたりする。もはやジョージ・オーウェルの世界である。ビッグ・ブラザーが見ている。

確かに「リムーブ(除去)」されることは愉快なことではない。でも,人と人との関係ってそういうもんじゃないだろうかと思う。友達になったけどなんだか違ってきたとか,付き合ってみたけどなんだか合わなかったとか,人間関係なんてそんなことばかりである。それを「リムーブするなら最初からフォローするな」とか言われたら,まるで付き合うなら絶対結婚しろと言われているようなもんである。「フォローバックしないからってリムーブするな」にいたっては,告白されたけど付き合ってはやらない,しかしずっと自分のことを好きでいろ,と言っているようなもんだろうか。なんだか大層自分勝手に思えるうえ,みんな私のことを好きになってくれずっと好きでいてくれと泣いてすがりついているようで,見ていて恥ずかしい。こういうこと書く子たちは『スタンド・バイ・ミー』とか読んだことないのだろうか。あれは決して4人の純粋な青春友情ストーリーではないことにこそ意味があるのだ。ぜひともおすすめしたい*2。余談だが今日のタイトル「そしてわたしもまた,そうだ」は『スタンド・バイ・ミー』の最後の一文。書き出しが印象的な作品はいくらもあるが,最後の一文が印象的なのは案外珍しい気がする。読んできて最後にたどりつくこの文章はとても重みがあるのである。

そして何より恐ろしいのが「リムーブするくらいならブロックしてくれ」である。なんだかこれこそ現代の病巣であるような気がする。面と向かって絶縁する/されるくらいなら,表面的にでも関係を温存したい ,ということだろうか。「(お前が)リムーブするなら(こちらも)リムーブする」も,リムーブがいかに最終兵器たりうるかを示していて非常に恐ろしい。

このような状態なので,私もおいそれとフォローできないのである。リムーブって,別にその人を全否定しているわけでもなければ,お前が嫌いだと言っているわけでもないと思うのだが。時間がたてば趣味や好みが変わってくるのは当然で,それはツイートにも反映されるわけで,そうすればもとの趣味を通じて友達だった人たちはもしかしてツイートに興味を示さなくなってくるかもしれないが,今度はまた新しい友達ができたりする,というようなもんじゃないだろうか。と思っているのだが,いかんせん私はTwitterに関してはだいぶ初心者なので,何が正義かなどはさっぱりわからない。

今から憂鬱なのは自分に子供が生まれた時,彼または彼女もきっとSNSをやるだろうということである。SNSを禁じるのも可哀想だし,きっと普通に子供はSNSのルールの中でそれに従うことを当然の処世術として生きていくのだろう。そういえば今はLINEいじめなどの問題もあるようだが,要するにこういうことなのだろう。そしてそれで何か問題が起こった時,私は価値観が違いすぎてきっと何も力になってやれないだろう。嫌われるのが怖いから表面的にだけでも仲良くしておくなんて,窮屈そうな生き方である。かわいそうに。

いずれにせよこの「リムーブ」に対する現代の考え方はずいぶん興味深いところなので,社会学とかで研究があってもよさそうである。かなりの確率でありそう。

今日は宮田くんのお誕生日だったのに,それについて言及できずに筆を擱くことになってしまった(から,今ようやく言及した)。26歳のお誕生日おめでとうございます!「My preciousの誕生日なの」と言って店員にウィンクしながらケーキを購入することをひそかに夢見ていたのに,論文執筆で忙しくしていてそれどころではなかった。痛恨の極みである。

*1:余談だがこのTwitterで使われる「line」という言葉,私はかねてから不思議に思っている。学年を示すらしく,たとえば私だったら「85line」(1985年生まれの学年←私は1986年だが早生まれなのでここに属する)に当たるらしいのだが,それにしてもlineってどっちかといえば「縦列」のはずで,「学年」を言いたいのであればなんとなくrowの方がしっくりするような気がするのだが。そして,なにより「85年生まれ」じゃダメなんですかね?

*2:実は映画を見たことがないのですが,原作はとりあえずおすすめしたい。