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留学はスリル,ショック,サスペンス

帰国までにあと何回経験するだろうかと恐れていたが,これでまた経験が増えてしまった。断水である。もっとも今回は前もって通知が入っていたので*1,昨日はありとあらゆる容器に水を汲んでおいたのだが,通知には朝9時からとか書いてあった割に悠長に昼頃から始まるし,断水時間は「だいたい6時間」とか書いてあるが,これでは到底信用できない。最悪の場合,夜になっても復旧しなくてシャワーも浴びられないとかいうこともあり得ないとは言えない。

そう思って,今日はジムに行ったついでに一応シャワーを浴びておいたのだが,おい,学校で入浴って。ついにここまで来たかと思った。結局断水はきちんと復旧していたようで,幸いにして私の心配は杞憂に終わったのだが,それにしても,そもそも「入浴できないかもしれない」なんて心配をする日が私の人生に訪れるとは思わなかった。幸い,というべきかどうか,私が入浴できないとしたら,今のところそれは戦争のせいでも内紛のせいでも,はたまたまた財務省に勤めていて入浴できないほどの激務に翻弄されているからでもなく,ただ単にアイルランドがポンコツだからなのだが,それにしてもなぜそのポンコツに振り回されなければならないのか。この小公女セーラにも匹敵する生活水準の直滑降は何事だ。私が何をしたというのだ。誰かいい加減に教えてほしい。今にも窓からサル(実は隣家の富豪の紳士のペット)が遊びに来るのではないか。ダメだ。私の部屋の窓は5cmくらいしか開かない。父の友人に富豪の紳士はいないはずだし,また父は存命であるし,そもそもサルがいきなり入ってきたら絶叫するであろう(からサルも逃げて二度と寄り付かないだろう)。なにひとつ実現可能性がない。それよりわずかにでも実現可能性があること,それはさっさと博論を書いてさっさと帰国すること,それだけである(ここのところ毎日の結論になりつつあるのはお察しの通りであるが,毎日毎日こうして初心を再確認できるのはいいことであるはずだ)。

*1:このことについてはダブリン市当局を褒めてやらねばならない。私が覚えている限り,今までは朝起きるといきなり水が出ないというパターンであり,しかも休日の日中に行ったりするという暴挙も珍しくなかった。こんなことが日本で行われたら苦情の嵐で水道局の権威は瞬時に失墜するだろう。しかしこちらでは,たとえばアイルランド語会話で「今朝,水出なくて困りませんでしたか?」と聞いても「ああ,そういえば出なかったかもね,でもそんなのどうでもいいよ(Is cuma liom)」とか返ってきたりするのである。到底理解できない。そして褒めてやりたいのはやまやまだが,なぜこの「前もって通知すれば丸く収まる」ことに今頃ようやく気付いたのか,むしろ尋ねたい。