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スゴイ偶然デスネ

ダブリンにはAlexandra Collegeという名門女子校があって,私はここを勝手に「アイルランド桜蔭」と呼んでいる。「桜蔭」というからには女子学院も雙葉もあるわけで,このAlexandra CollegeにLoreto ConventとUrsuline Conventを足して私はごくごく勝手に「アイルランド女子御三家」と呼んでいる*1

……まぁそれはいいとして,以前メアリーから教えてもらってLoreto Conventの文書館に史料調査に行ったところ,学校誌の中にとてもいい史料が見つかったのである。それが去年の12月とかだったと思う。それに味を占め,ぜひこのAlexandra Collegeの学校誌や他の史料も見たいものだと思っていたのだが,以前送ったメールには返事が返ってこず,ほとんどあきらめかけていた。しかし最近また思い出して,やはりこの学校の史料が見られるものなら見てみたいと思うようになった。以前メアリーにメールが返ってこない旨相談したら「電話してみたら?」と言われ,えーでも電話なぁ……と思いつつそのままにしていたのだが(こうしてみるとまるで恋愛の悩みを相談しているようだが,史料調査の話をしているということをここで再確認しておきます)ついに「メールが返ってこないなら電話すればいいじゃない」という境地に達し,再び連絡をしてみたのである。やはりメールは返ってこなかった。しかし今回の私はここで挫けなかった。メールを送ったのがおとといで,昨日はメールに返事が ないことを確認して電話をするも留守電だったのでそこにメッセージを残し,今日はそれに対してさらにレスポンスがないことを確認して再度電話してみた。今回は電話が窓口につながったので,私はこういう者で,史料調査をさせていただきたいのだがと尋ねてみる。それなら図書館に尋ねてみてはどうかと言われ,メールアドレスを教えられる。しかし図書館にもすでにメールを送っていた私は,今回も返事がないし,去年送った時も返事がなかったのだと事情を説明した。相手は「そうですか」と言ったが,しかしやはり図書館にメールしてみるのが妥当だと思うとなおも言う。しかし何度も言うが,今回の私は「メールが返ってこないなら電話すればいいじゃない」がモットーなのである。では図書館の電話番号を教えてくださいと言うと,今からこちらでつなぎましょうと言ってつないでくれた。

つながった先の司書さんはとても感じの良い方で,私のメールを悪意を持って無視するような方には思えなかった。こういう件でメールを差し上げたのですがというと,私も考えていたのよと言う(なぜ去年返事をくれなかったのかはわからないが)。でも私の思い当たる限りここにあなたの探しているような史料はないように思う,というのが最初の彼女の答えであった。しかし何度も飽きず言うが今回の私はネバーギブアップ精神を持っているのである。わかりました,では目録のようなものはありますか,それだけでも見に伺いたいのですがと尋ねてみる。すると彼女は少し考えたのち,ああ,そういえばあなたの研究している時代の史料で,読書会の記録があったはずだわ,確か学校誌に載っていたはず,と言った。

それです!私の探しているものは!

興奮気味にそれを見たいと告げ,再来週に約束を取り付け,ああ,本当にあきらめなくてよかったと電話を終えようとしたところ,司書さんが「ところであなた日本人?」と聞いてきた。はい,そうです,と答えるとものすごくうれしそうに「ソウナンデスネ!」と言ってきた。はい,そうなんです,すごく日本語お上手ですねと言うと,「千葉県ニ住ンデイマシタ」。なんと!私は大学が東京でしたというととても驚いていた。そのあとさらに,「エエット,アソコニモ住ンデイマシタ,広島県福山市」。

なんと!

私は岡山県の出身ですというと彼女はNo way! と叫び,岡山市ニハ良ク行キマシタ,と言う。なんとまぁ。ひとしきり盛り上がり,We'll talk about Okayama soon,と言って電話を切った。

やった。日本にゆかりのある方だっただけでもとてもうれしいが,これで私の史料調査はますますスムーズなものになるだろう。アイルランドというところは,そういうところなのだ。何もないところで何かを動かそうとすると遅々として進まないことが多々あるが,こういう些細なことでもあればいきなり物事が軌道に乗る。出自が岡山で東京の大学に進学したことに心から感謝した。ああ,再来週が楽しみ。

*1:ちなみに「男子御三家」はClongowes wood,Blackrock,Belvedereだと思っています。