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Many thanks for all of your input

この前ダブリンで2年ぶりにお会いした先輩がVivaを無事終えられたという知らせが(正確に言えば昨日)届いた。Vivaのあと,指導教官の先生からお祝いのシャンパンを贈られたという温かいエピソードも添えて。うちの西洋史学研究室でも屈指の留学生量を誇るロンドンで,日本人のお友達と焼肉でお祝いなさったそうだ。おめでとうございます。

ダブリンでお会いした時は博論を提出した直後でVivaを控えていらっしゃるときだったのもあって,普段は知的で割と物静かな先輩が珍しく饒舌だったのが印象的だった。日本ではだいたい私の方がまとわりついていく感じだったのに,わざわざ毎晩私の部屋をノックして「お話ししましょう」とか言ってくださったし*1。お話を伺っていて,同じ英語圏といってもイギリスとアイルランドとではずいぶん違うなぁと思うことも多かったのだが,「博論を出してようやく先生方に研究者仲間として認められた気がする」と何度もおっしゃっていたのが心に残った。イギリス史とアイルランド史とでは研究者人口が圧倒的に違う上,私のやっているようなことはアイルランド史でも傍流というかかなり特殊なところであることは間違いないので,学会に出るとそれだけでいっぱしの研究者として扱ってもらえる(もらえているような気がする)し,先生方もかなり温かく迎えてくださるので,そんなことは今まで思ったこともなかったのだが,やっぱり実際のところ,そういうものだと思う。研究者であるということと,博士号を取得しているということは,特に今の時代なら同義だ。

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先日の指導教官の出版記念会で,タイトルページにサインをお願いしたらこんなメッセージまで書いてくださった。Many thanks for all of your inputと書いてあるのだが,先生はいつもこうして私たちを指導学生としてだけでなく一人前の研究者として扱ってくださる。でもそれで喜んでいるだけではなくて,ちゃんと名実ともに「同業者」になろうと思った。そして先輩の朗報をうけて,改めてそう思った。学費が支弁できないからとか,不便な生活に嫌気がさしたからとか,そういうネガティブな理由からではなくて,前向きに早く博士を取ろうと思った。もしかしたら初めてかもしれない。でも3年目のこの時期にそう思えて(思える出来事があって)よかった。

*1:ただ,先輩はだいぶ昼夜逆転生活が長いようで,夜中でも生き生きしていらしたのだが,対して私はここ最近とっても健康的な早寝早起き生活をしていたこともあり,申し訳ないことだが若干眠かった……。