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with much love

夜,指導教官が上梓された本の出版記念会に行ってきた。

Catholics of Consequence: Transnational Education, Social Mobility, and the Irish Catholic Elite 1850-1900

Catholics of Consequence: Transnational Education, Social Mobility, and the Irish Catholic Elite 1850-1900

 

 先生はもともとご自分の講演とかそういう機会を積極的に指導学生に伝えてくださらない。避けているからとかそういうわけではなくて(ないはず),伝えることによって出席を強制するようなニュアンスになるのを避けていらっしゃるのだが,逆に学生としてはできるだけ聴きに行きたいので,情報をキャッチするのに多少苦戦している。今回のこれも,先生の研究室の前を通りかかった時,ドアに貼り紙が貼られているのを見て初めて知ったくらいであった。教えてよ!と思いながらスマホで写真を撮ったのだが,そのあとになって先生からメールがきた。「no pressure to attend and no expectation that you would buy the book」という一言を添えて。先生はそうおっしゃるものの,今回は自分のモチベーションにするためにもぜひ購入しようと思ったのであった。加えて,会場で買ってサインしてもらおう!と思ったのはおそらくミーハー心であろうと思うが。ただ,会場で買うためにはお金をおろしていかなければ。そう思ってOUPのホームページを見て,そして目眩がした。は,80ポンド強……。目眩はしたものの気を取り直し,いや,この買い物には勉強のためだけでない目的があるのだ,モチベートミーアップモチベートミーアップ,と唱えながら道中コンビニで100ユーロおろして会場に向かったのであった。

出版記念会は先生ともうひとりの先生の合同だったのだが,先生方を紹介するスピーチがやたらと気の利いた言葉の連発(「みなさんこのすばらしい本を買うだけではいけませんよ,読まなければいけませんよ」とか)で,笑いどころを逃すまいと集中するのに疲れた。こちらのパーティーではいつもこうだが。温かい祝福の雰囲気に包まれ,私も将来博論を本にするようなことがあったらこんなの開くかなぁとか思いながらスピーチを聞いていたら,はっとした。私の指導教官ももうひとりの先生も,配偶者に対する感謝を述べて締めくくっている。特に私の指導教官は,何度か私もお会いしたことのあるフィンランド人の奥様(今日も来ていらした)に対し,「マイアが僕の人生にやってきてくれたことに(came into my life)」とおっしゃっていて,ああ,ええ言葉じゃなぁ,と思わず岡山弁で感嘆するほど素敵だったのだが,その次の瞬間に思った。私どうするんだよ。帰ってからほくほく本を開き,最初の謝辞を読んだのだが(知り合いの出版物の場合は謝辞が興味深いですね),やっぱりすごく素敵な奥様への言葉によって締めくくられている。いわく,

The book is dedicated, with much love, to Maija.

と。

私誰にウィズマッチラブ捧げればいいですか? 

勝手に宮田俊哉に捧げるか?半澤暁に捧げるか?いや,本を献呈されるなんて,結構名誉なことだと思うわよ。私の留学生活を支えてくれたことには間違いないわよ。もっとも,彼ら自身はそんなこと知らないでしょうけど。

というわけで,記念会自体はとてもよかったのだが,無用な(ええ,とっても無用な)新たなる心配を持ち帰ることになってしまった。そして今日の私の英会話能力が壊滅的な有様だったこともあいまって,帰宅後ちょっと意気消沈しながらグリューワインを飲むことになった。あ,ちなみに懸案の本のお値段は会場割引で56ユーロになっていました(破格!)。先生から素敵なメッセージ付きでサインもしていただけました。この2つは,よかったこと。