読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

優男ですね

更新されたと知って読んだキスログ,*1今回は藤ヶ谷くんと北山くんによる更新だったのだが,藤ヶ谷くんの記事に腑に落ちないものを感じた。横尾くんについて「優男」と評していたのである。それも,ポジティブな文脈で。

「優男」って,いつからポジティブに使われるようになったのだろう。

藤ヶ谷くんがひとりで勝手に誤用しているとかならまだしも,おそらくはこの意味での「優男」を,私は前に聞いたことがあるのである。ハウスメイトの1人が,ある男性について,その時もポジティブな意味で,「優男だね」と言ったのであった。その時も私は引っかかったのだが,まぁ誤用かな,くらいにしか考えていなかったのである。しかしこうなると,どうも「優男」は最近ポジティブな意味でも使われているようだと考える方がよさそうである。

優男

  1. 風流を解する男。みやび男。やさお。平家物語(1)「名歌仕つて御感に預かるほどのー」
  2. 柔弱な男。
  3. 風姿の優美な男。やさがたの男。

 たとえばこれが広辞苑の定義なのだが,そう,これですよね。1と3は確かにポジティブな意味だが,どちらかと言えばそこから転じた「なよなよした野郎」「文弱」という意味での2が主なニュアンスであるように思う。要するに「優しい男」ではなかったと思うのだが。

と,Twitterで発言してみたところ,「私も前から思っていた」とのお返事をいただいた。やはり「優男」に「優しい男」の意味が付与されるようになったのは,おそらくここ数年のことである。試しに「優男」で検索してみたところ,同じような戸惑いの声は多く寄せられていた。中にはこんな興味深いものもあった。こちらの男性はお母様から「優男」と言われたのが褒め言葉なのかと思われたとか。こういうとき,日本語にもOxford English Dictionaryのような,用法が何種類あってそれぞれの用法の初出はいつでその時の文章がこれ,というようなことをすぐに調べられる辞書があればいいのにと歯噛みしたい思いに駆られる。日本に「博士と狂人」はいなかったのだろうか。もし既にあって私が知らないだけなら,どなたか教えていただけると幸いです。

こういうことについての考え方はいろいろあるだろうが,言葉に新しい意味が付与されたり本来の意味とは違った使われ方がなされるようになるのは,ある程度仕方ないと私は思っている。でも「優男」って,上に書いた通りもともとポジティブな意味ではないにせよ,小粋な言葉ではあると思っているので,その本来の意味が消え失せてしまうのはなかなか悲しいものである。それになよなよした狭義の「優男」にだって,ちゃんと需要はある。優男=優しい男なんて,なんだかずいぶんつまらない。やっぱり「優男」には本来の意味の方が合っている。と私は思う。

しかし勝手に心配なのは,こんなにポジティブな意味で使われていたら,目上の男性を褒めるつもりで「優男ですね」とか言っている人が一定数いるのではないかということである。本当に勝手な心配だが。仲間内で広義の「優男」を使うのはよいだろうが,まさか上司の男性に「優男ですね」とか言って機嫌を損ねたりすることがないよう,遠く異国からお祈りしております。

*1:Johnny's WebでKis-My-Ft2が毎週連載しているブログ。月・水・金に2人くらいずつ更新される。