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ラーメンとデズデモーナ

まず,ただただ『セカンド・ラブ』への想いの丈を綴っただけの昨日の記事を大変多くの方が読んでくださったことについてお礼申し上げます。書いた甲斐がありました。いや,ハイフンのみなさまのこの作品に賭ける想いがひしひしと伝わってきました。ヒットするといいですね。あさっては第2話ですね。私も楽しみなのですけど,ひとつ注文をつけるとするならば,ラーメンのカットをあまり多く入れないで欲しいです。結唯と高柳先生が逢瀬の後にラーメンを食べる。慶がバイト終わりにラーメンを食べる。矢継ぎ早にラーメンを2回も見せる意味はどこにある?異国の,しかもこんな辺境にちゃんとしたラーメン屋はないんです。年がら年中ラーメンが恋しいんです。夏まで帰国の予定はないんです。夏も帰国できるかまだ定かでないんです。ラーメン!!

さて,今日はひとつ書こうと思っていたことがあったのですが,とてもそんな気分になれないのでやめておきます。平慶に負けず劣らず,私も悩み苦しんでいるからです。史料の扱い方に。今,3つの読書会の議事録を比較検討していまして,1週間ほど前から最後のひとつに取り組んでいるのだが,この「最後のひとつ」がすこぶるわからない。他の2つとちょっと性質も違うし。特にここ3日間は何を考えているかって,もう,著名なサフラジスト*1が『オセロー』の朗読会でデズデモーナ役なんてやっているのをどのように考えればいいのかということですよ。ああ,もう。なんでデズデモーナとかやるかなあ。なんでこんな,無駄に深読みしたくなるような配役するかなあ。もっと他の役,いくらでもあるだろう。

と,研究の方は煮詰まって数日経っているのだが,日本のとある機関が研究員(というかプロジェクトのメンバー)を募集しているのを見かけ,その担当の先生にいろいろメールで詳細を伺っているうちに,だいぶ気分がよくなった。現金なもんである。上のように書いてはいるけれども,そもそも私は慶のように天才ではないし,出来がいい方でもないから,多少調子が悪くてもほとんど気に病まないのである。「今日はなんかダメだー,へへっ」くらいで。留学してみてしきりに思うのだが,日本人が外国でやっていくというのは,もともと優秀な方ほど苦しいことだろうと思う。互角に渡り合おうと思っても,まず言語の壁がある。言語が堪能だったとしても,他にもハンディキャップはいっぱいある。*2私は英語も下手だし本格的に史料収集したりしたこともなかったし,当初から「ダメでもともと」くらいに思っていたから,その分ずいぶん気楽であった。プロ意識が低いとお叱りを受けるやもしれないが,でも留学なんて,メンタルヘルスが第一である。今のところ本業で自分を全否定する/されることなく楽しく3年間過ごせているから,それは本当によかったと思う。このまま誰よりもまず自分が楽しんで論文が書ければ,それが一番かなと今は思っている。

そして,件のプロジェクトを知ったことで,帰国後の目標がひとつできた。帰国後ということは,博論を提出した後ということになる。帰国後のことというのは,今までも漠然と考えてはいたけれども,ただの予定に過ぎなかった。しかしいよいよ,具体的な目標ができたんだなぁ,と感慨深かった。何だか自分のこととは思えないほどだった。*3

院生室では20時まで研究することにしている。それから頭をクールダウンするためも兼ねて,30分くらいかけてこの日記を書いて帰っている。*4さて今日も,そろそろ帰ろう。研究で煮詰まった時は何といってもラーメンなのですが!ああ,ラーメン!!

*1:穏健な婦人参政権運動家

*2:たとえば歴史で言えば,こっちの学生は史料との距離が近いから学部時代から一次史料を当たり前に読んでいる。入手の仕方も熟知している。一方で私たちのような留学生は,下手すりゃまともに史料を扱うのが初めてとかいうこともありうる。

*3:でも自分の中で,ダブリン生活がそろそろ終わりに近づいているというのは,別に明確に目途が立ったとかいうわけではないのだが,なんとなく体感している。なんだかしきりに,このお店に行きたいと思っていたけど行けてないから行っておかないととか,あと何をしておこうとか,そういうことばかり考えている自分がいる。最後になって焦る前に,リストアップしておきたいものだとは思っている。

*4:このやり方はなかなか気に入っているものの,逆に頭がヒートアップすることも頻繁にある。