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WORLD QUEST

 最近,NEWSの『WORLD QUEST』に励まされながら執筆している。 NEWSの経緯を考えながら聴けば涙なしには聴けないような曲なのだが,これが本当にいい歌なのだ。*1

WORLD QUEST/ポコポンペコーリャ(初回盤A)(DVD付)

WORLD QUEST/ポコポンペコーリャ(初回盤A)(DVD付)

 

同じジャニーズの歌で言えば,嵐『サクラ咲ケ』は代表的な応援歌と言えるだろうし,前向きに気分を奮い立たせたい時には私もこちらをよく選んで聴いている。「振り向くな後ろには明日はないから前を向け」なんて,本当にいい歌詞だと思う。最後にこの歌詞は少しだけ変えられて「振り向くな後ろには明日はないから前へ前へ」となるのだが,その変化もまた,とにかく前へ進めと鼓舞される感じで,聴いていて素直に元気になる。対してこの『WORLD QUEST』の方は「負けている」状態から這い上がる歌なので,スランプ状態の時に聴くと本当に共感する。特に2番の冒頭,「戦力外とか残酷な響き/いつまで最後尾走ってんだ/後ろを向いてたらゴールは生まれない/そうなんだプレーで証明するんだ」 のところは,「後ろを向くな」「前を向け」という『サクラ咲ケ』と同じことを言いつつも,与えられる印象はかなり違う。歯を食いしばって傷だらけで起きあがって走り出すような泥臭さがある。

そして我田引水でひたすら申し訳ないのだが,私自身のことを考えてもこの歌詞が染みわたるときというのがあるのである。私はまったく出来がいいわけではないし,要領も悪いから人の何倍もやってやっと人並みにできるような有り様で,それは小さいころから今まで全然変わっていない。自転車にもなかなか乗れず,逆上がりもできず,数学の公式を覚えるのもひたすら遅かった。大学に入れたのも,留学なんてできているのも,本当に運に恵まれたからだし,さらに運がいいことに,指導教官にも友人にも恵まれた。しかしながら,元がこうなので作業効率は悪いし,英語もまだまだ不自由な部分が多くて読むのも書くのもとても遅い。院生室で周りの院生たちはみんな涼しい顔をしてタイピング音を響かせ,来週には指導教官にドラフトチャプターを見せるとかそんな話ばかりしていて大変焦る。焦るは焦るが,前にも書いた通り,そういうことに関して,基本的には私はダメでもともとと割り切っている。こちらの学生と全く同じようにできる/やりたいと思ってもそれは無理な話なので,私は私のペースでやるのだと。しかしそれは不戦敗を認めることでもあって,たまに何をやっているんだろうとも思う。誰かの助けを借りなければ,論文はおろか学会要旨ひとつ書けない。それはもはや,「戦力外」ということじゃないのか。みんなが私に優しいのは,私の出来が悪いからで,つまり一人前に見られていないということなんじゃないか。そういう思考がまあまあ定期的に訪れる。

そしてそういう思考が訪れた時,たまたま私が聴いていたのがこの『WORLD QUEST』だった。歌詞はこう続く。「たくましさもしたたかさもなく/感情ばかりで泣いた僕に/君は言ったんだ/絶対逃げんなって/ここも通過点そう思えと」。これを聴いて思い出したのが,指導教官から言われた"I can't see why you shouldn't go for it [...] testing ourselves is what we're here for!"という一言だった*2歌詞には「泣いた」という言葉が出てくるけれども,私はこちらに来てから泣いたことがない。正確には泣いたこと「すら」ない。それは幸福なようでありつつ,実は自分で自分を他の院生たちと「同じ土俵」の上に置いていなかったからだったんじゃないか。戦力外とか,一人前でないとか,思っていたのは誰よりも私自身だったのだと思う。ちょうどちょっと気分が落ち込んだときにWALKMANがこの曲を流したのは,本当にナイスプレーであった。私も素直に「いつまで最後尾走ってんだ」「プレーで証明するんだ」という気分になれた。

そしてNEWSに関しても,冒頭に書いた通り,彼らの経緯を連想しながらこの歌を聞けば,否応なしに考えさせられるものがある。そんなバックグラウンドがあることを,「ケチがついた」ととらえる人もいるかもしれない。それはたとえば,舞祭組についての賛否にも同じことが言えるだろう。最初からメンバーが脱退などしなければ,最初からすべてのメンバーを平等に売り出してくれていたら,こんなことはなかったのにと。それはある意味で正しい。しかし私は,個人的には,使えるものはすべて使えばいいと思っている。お涙頂戴のストーリーも,自虐も,可能なものはすべて使っていけばいい。そして私もまた,そうしようと思う。1人で何もできないけれど,それでも先生や友人が惜しまず協力してくれるなら,変なプライドを持たず,利用できるものはすべて利用させてもらおう。それで望むものが手に入るなら,そうしていこうと思う。

この歌は割と淡々としていて,「応援歌」というよりはアンセムのようである。サッカーのクラブ杯のテーマソングだったから,そのイメージを大切にしたのだと思うが,その曲調がむしろ,静かな自省には心地良い。*3みなさま(非ジャニーズファンのみなさまは特に),『サクラ咲ケ』も『GUTS!』もいいけれど,『WORLD QUEST』もぜひ,お見知りおきください。アルバムではこちらの『NEWS』に所収。

「NEWS」(通常盤)

「NEWS」(通常盤)

 

 今日は週末だし,ということでひさしぶりに香水はバーバリー「ウィークエンド」をつけていたのだが,なんだかこの香水は完全に週末モードになってしまってよろしくない。もう長いこと香水をつけている私にとって,香水はオンとオフを切り替えるスイッチの役割がある。この香水はやはり「完全にオフ」の日につけるとして,しばらくは「仕事モード」の香水をつけ続けようと思う。最近,ようやくイヴサンローラン「オピウム」にも慣れてきた。これは3年前に背伸びして買ったのだが,少しはふさわしい女になれただろうか。

*1:こちらの記事は,以前書いたNEWSの「美しい恋にするよ」コンサートのDVDの記事のスピンオフとでもとらえていただければ幸いです。

*2:この言葉はこれから一生思い出すだろう大切な言葉です。

*3:ましてもう30になろうかという年齢だし,イケイケの応援歌よりもこういう方が性に合う部分も多くなってきた。