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The Second Best Exotic Marigold Hotel

いろいろ腹が立って感情の起伏がジェットコースター並みである時に映画を見に行ったのは間違いだった。こんな日は映画くらい見ていいだろうと思ったのだが,選んだ映画もこれまた間違いだった。


The Second Best Exotic Marigold Hotel Official UK ...

ここ最近見に行った映画でいつも予告編がかかっていた上,ジュディ・デンチだしマギー・スミスだしビル・ナイだし何やらインドだし,でこんな気分の時にはいいかなと思ったのだった。確かにハッピーな映画ではあった。しかし俳優陣に現れている通り,(デイムの称号を持っていたりする女優相手に大層失礼な話だが)じじばば映画なのもまた事実である。しかもホテルが舞台なので,じじばばの群像劇(一組若いインド人カップル)の様相を呈している。物語は淡々と進むが,物語自体もホテルのオーナーである若いインド人ソニーとそのフィアンセの結婚式に向かって進むだけで,特に何の動きもない。ひたすらに平和である。結果,途中で寝てしまった。ただしこれは私が疲れていたからで,映画自体が面白くなかったわけではないことを申し添えておきます。怒り心頭の時に穏やかな音楽を聴いて気分を鎮めようとしても無理なのと同様,怒り心頭の時に穏やかな映画を見ることもまた間違いであるということを悟った。むしろ映画館の不手際で,始まってから数分間は客席の蛍光灯が煌々とつきっぱなしであり,これがまた私の怒りを増幅した。*1映画館でわくわくする瞬間って,客席の電気が消える瞬間に他ならないと思うのだが。

ただ最後の結婚式のシーンはさすがに圧巻で,おそらくこれがボリウッド映画のカタルシス効果なのだろうと思った。正直に言うと,映画全体を通して舞台がインドであることの必要性はあまり感じられなかった(ソニーのインド訛りの英語を聞き取るのにとても苦労した)が,すべてここに集約させるためなんじゃないかと思われるほどだった。インドの結婚式って本当にこんなのなんだろうか。なんなんだ,ウェディング・ダンスって。しかも欧米の結婚式みたいに,ただ適当に踊っているわけでもない。新郎新婦にバックダンサーがついてステージで踊る本格的なものである。インドでは一般人もプロ並みに踊れなければならないのか。おまけに英語もしゃべれなければいけないし,数学もできるし。すごいなインド!

しかし,これって邦題も『ザ・セカンド・ベスト・エキゾティック・マリーゴールド・ホテル』になるのだろうか。一番の難関はチケット売り場で「ザ・セカンド・ベスト・エキゾティック・マリーゴールド・ホテルの学生を1枚」と頼むときで,"1 student ticket for the Second Best..."くらいですでに相手がわかってくれたため,なんとも言えない敗北感が漂った。

*1:耐えかねた観客の1人が言いに行ってくれ,係員が入ってきてスイッチで消していた。興ざめなことこの上ない。