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pretending to be a genius

今日はもう,史料が,いや史料のせいにしてはいけないな,私の分析能力が枯渇してしまってとてもとても辛かった。ノルマの半分も書き進まなかった。明日は5時起きしてベルファストに史料調査に行くことになっていて,それ自体は大変面倒臭いのだが,新しい史料が手に入るのはありがたい。これで新鮮なネタを手に入れて,またあさってから書くことができる。まるで市場に出向く魚屋のような心境である。

ところで,今からとてもアホなことを書くのだが(まあ毎日そんな感じだが),本日私はiTunesストアで映画のサウンドトラックを2曲買ったのである。普段,執筆している時や勉強している時は無音が一番はかどるのだが,なんとなく気が散るときなどには映画のサントラを愛用していて,今回も執筆BGMにと選んだのである。やはり学者の伝記映画のサントラがいいだろう,験担ぎの意味でも,と選んだのが以下の2曲。

The Imitation Game(『イミテーション・ゲーム』より)

A Kaleidoscope of mathematics(『ビューティフル・マインド』より*1) 

そして今日はさっそく作業BGMにしていたのだが,とてつもなく大きな落とし穴があった。冒頭で述べた通り,今日私はスランプ気味だったのである。しかしこれらの映画で印象的なのはやはり,ジョン・ナッシュならびにアラン・チューリングの2人の天才数学者がインスピレーションを得るシーンであり*2,これらの曲およびこれらの変奏がとても効果的に使われているのである。かたや私は,ほとんど書き進むことができず,史料からも二次文献からもインスピレーションを得られず,机の前でほぼ固まって過ごしていたのである。苦しい。『イミテーション・ゲーム』のサントラにいたってはロンドン交響楽団の演奏である。美しい映画音楽を聞き流しながら,私はパソコンの前でなすすべもなく固まっていた。

しかし,ここからアホの真骨頂が始まるのだが,とりたてて何もできず院生室を去る時に『イミテーション・ゲーム』のサントラを聴いているのはなかなかいい気分であった。だってこの映画の中で,チューリングはほとんどエニグマに対してなすすべもなく悩み続けているのである。方や,肩を落として帰る私。あら!なんか「今日もエニグマの前になすすべもなかった」と肩を落としてブレッチリーパークの作業所を後にするHut 8のメンバー*3の気分だわ!悪くないわ!そしてもちろん,チューリングは最後に,エニグマenigma = unsolved problem)を解読するのである。まあ!

と,こんな風にお手軽に映画の世界に入り込めるので,やはり勉強や研究のBGMに映画サントラ,おすすめです。ちなみに私は高校時代,ハリー・ポッターシリーズのサントラにずいぶんお世話になりました。なんせサントラさえあれば,岡山の片田舎のそれも和室でホグワーツ気分を味わえるのだ。そして明日は英領へ行くので,『わたしを離さないで』のサントラをダウンロードしてみた。ベルファストは赤レンガの街である。たぶん,いろんな建物がヘイルシャムに見えて仕方ないだろう。

*1:ジョン・ナッシュ教授ならびに奥様の交通事故のニュースはとてもショックでした。ご冥福をお祈りします。

*2:ビューティフル・マインド』はそこが山場というわけでもないが,統合失調症で苦しむようになる前のナッシュが窓に次々と数式を書いていくシーン,とても好きなんです。

*3:ところで今気づいたのですが,映画にも出てきた全英チェスチャンピオンのHugh Alexanderさん,コーク出身のアイルランド人なのですね!ODNBに記事がないからあきらめていたのにWikipediaにあるなんて!