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軍隊系女子

軍隊系女子とは以前,友人が私をからかって呼んだ言葉である。私がミリタリーオタクであるという意味ではない。私がまとっている空気が,まるで兵士のようだという意味である。この言葉が発せられた瞬間のことを私はよく覚えていて,その時私は革ジャンにジーンズをブーツインという,これまた軍隊系の格好であった。言われながら,さもありなん,と思ったものである。

そして「軍人系女子」ならまるでオスカルのようで格好いいのに,なぜ「軍隊系」なのか,やめてくれよ,と思っていたが,この理由もようやくわかってきた今日この頃である。まず,自分で言うのもなんだが,私は必要以上に規律正しい人間なのである。起きる合図が起床ラッパではなくてiPodに入っている曲だというだけで,やっている内容は特に変わらない。毎日毎日,頼まれもしないのに6時半に起床し,午前中はピアノの練習をしたり雑用を済ませたりし,昼食後に学校に行って19~20時くらいまで論文を執筆して帰る,という判でついたような日々を送っている。これは月曜から土曜のパターンで,日曜は休むことにしているのだが,まずその,休む「ことにしている」という思考自体がすでに「休むのも仕事のうち」という感じだし,日曜に共同のダイニングやバスルームを徹底的に掃除してみたら,いつからかそれが習慣化して毎週やるようになってしまった。つまり,休日のスケジュールを分刻みでExcel管理するという櫻井翔ほどではないにせよ,休日には休日用のルーティンがあるのである。

さらに,私が日経WOMANをこよなく愛しているからというわけでもないだろうが,私は時短マニアである。これもつい最近気づいた。何かをしている間手持ち無沙汰に待つということができないのだ。常にマルチタスクを抱えている。極めつけは料理で,火にかけている間に掃除したり片づけをしたりは序の口で,挙げ句ほかの料理を同時進行で作ったりしている。そして私は,時短術を心得ねばならないワーキングマザーたちと違って,別に急いでいるわけでもない。結果,暇を持て余すことがよくある。

おそらくはこれらの性質が相俟ってのことだと思うが,今日博士論文の本論部分の下書きを完成した。とはいえまだまだ「第一稿」なので,これから推敲に推敲を重ねるためのいわばたたき台なのだが,自分で言うのもなんだが,早い。やらなければならないとわかっていることを放っておくのがどうしてもムズムズする性格であるのと,「未着手の部分がある」と途端に不安になる性格なのと,物事が計画より遅れるのが嫌いなのと,さらに「何があるかわからないから前倒しで進めておく」習慣がもう身に染みついているためで,卒論の時も修論の時も第一稿の完成はやたらと早かった。まさか博論でも同じだとは自分でも思っていなかったが,当初の予定より1ヶ月も早く書き上がったので仰天している。ここまで書くと自慢話のようだが,必ずしもそれが論文の質と比例しないのが私の悪いところで,今までに何度も分析の甘さを注意されてきた。博論はさすがにそんなことがあってはいけないし,そんなことがあっては嫌である。第一稿が完成したのは喜ばしいが,ここで兜の緒を締めなおさねばと,もはや軍隊というより武将のようなことを考えている。だから私はモテないのだ。だって,誰が武将を彼女にしたいと思いますか。それか,あれか。むしろ「北政所系男子」とか「まつ(前田利家妻))系男子」を探した方が早いのか。お心当たりの方,ご連絡お待ち申し上げております。