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29の女の日記はいかにあるべきか?

昨日の日記に書いたことなのだが,ベッドカバーを変えてみるついでに,「大人の女」のとば口に差し掛かった女として,どのような部屋に住むべきなのだろうかと考えた。有言実行で,昨日からさっそくインテリアブログなど見ている。しかしインテリアブログはほとんどの場合主婦(それも裕福な)によって書かれており,一人暮らしの女が参考にするには不向きである。そういうわけで,「一人暮らし」「部屋」「インテリア」などで調べてみた。そうするとワンルーム用インテリアのまとめ記事などが出てきて,それは確かに参考になった。

しかし,さらに検索精度を上げたいと思い,「一人暮らし」「部屋」「女」「アラサー」などで調べ始めると,途端に検索結果の趣向が変わった。「インテリア」を入れ忘れたことによって日記的な性質の強いブログが多数ヒットしたのだが,それらのブログのキーワードだけ抜き取っていくと,「婚活ギブアップ」「薄給」「節約」「ワーキングプア」「おひとりさま」などである。この検索結果には仰天した。つまり,30近くになって,もしくは30を超えて一人暮らしをしており,しかもそれをブログに綴っている女性は,すでに結婚をあきらめたか,それとも金銭的な事情を抱えているか,大きく分ければそんな風になるらしい。もちろん,この検索結果で30歳代の女性がすべてそうだと一括りにはできない。これらのブログはいずれも検索結果「上位」に位置しているものであり,そうなるとごく普通の(つまり薄給に喘いでいるわけでも結婚をあきらめているわけでもない)ブログよりも,こうしたキーワードを冠するブログが注目を惹くのは当たり前である。*1

しかし,これには少なからずショックを受けた。世のアラサー女性たちがこんな目に遭っているとは思っていなかった。30が近くなると,もしくは超えると,そんなにいろいろなことを弁えねばならないのか?だとしたらごめんなさい,私が身分不相応なことを言っているだけなのかもしれないが,私,まだいろいろあきらめたくない。もちろんもう世間一般的に見て若くないのはわかっているが,結婚もしたいし,出産もしたいし,ワーキングプアにもなりたくない。えっ,ダメなの!?

翻って,自分の日記のことを考えてみた。読んでくださっている方々はどうお思いかわからないが,私自身はこの日記のことを,29歳の女が綴る,ごく普通の日常ブログだと思っている。私はジャニーズが好きだからそのことも書いてはいるが,1ヶ月に1回言及するかしないか程度なのだから,ほかのジャニーズファンの方々のブログに比べれば圧倒的に少ないはずだ。それ以外は総じて,日常で私が思ったことであったり,私が読んだ本のことであったり見た映画のことであったり,忘れてしまうには惜しい「よしなしごとをそこはかとなく書きつく」っているだけだ。まあ,でも,著者の私自身が,いわゆる「普通」の29歳ではないのだけど。だって普通,29歳といったら立派に仕事をして,しかも部下もいるようなお年頃だ。国を背負って粉骨砕身している友人もいる。本当に頭が下がる。かたや私は,この齢でまだ学生で,収入は奨学金で,*2しかも海外に住んでいたりする。しかし,確かにカルチャーショックの経験は書いたりするが,海外に住んでいるからと言って,「今日はマルシェでお買い物をしたあと,バゲットをかじりながら運河のほとりをお散歩」とか書いていないはずだ(第一ここはフランスではない)。要するに,繰り返しになるが,これはごくごく普通の「日記」であるはずだ。

 そんなごく普通の日記を,ありがたいことに割と多くの方が読んでくださる。しかし,正直に言っていいですか,私だってそういうブログが読みたいんです。結婚をあきらめたり,薄給にあえいだりしていない,できれば同年代の,できれば一人暮らしの女性が,日常で考えたことを綴ったブログを読みたい。*3なのに,なかなか見つからない。いつも本当に残念だと思っているのは,たとえばたまにジャニーズファンの方々のブログを拝見したとき,「私の日常なんて書いてもつまらないだろうから」という旨の言葉が散見されることだ。こうした文言を見るたびに私は歯噛みしたい思いに駆られる。なぜ!なぜ書いてくれない!不都合があるなら(会社がバレるとか家族にバレるとかね)もちろん書く必要はないが,「つまらないだろう」などという,それこそつまらない理由で日常を書き綴るのをあきらめないでほしい。あなたにとってはつまらない毎日でも,それは他人にとってのドラマだ!

ただ,まあ,読みたいのに適当なものが見つからないという欲求不満が,自分で書くことの原動力にもなっているのかもしれない。たいていの人はきっと,あったらいいのにと思うものを自分で書いているのだろう。何よりも自分が楽しむために。準えるのも甚だおこがましいのは承知の上だが,貧困に喘いでいたJ・K・ローリングが,誰よりも自分を楽しませるために,エディンバラのカフェで粘って『ハリー・ポッター』シリーズを執筆したように。

*1:ついでに言うと,「アラサー」で探しているにも関わらず「アラフォー」の女性たちが書くブログも多くヒットした。つまりはアラサーもアラフォーも同じだということなのだろうか。

*2:だから「薄給」ブログの方々とは親和性があるかもしれない。

*3:毎日書けとは言わないから,できればそれなりの分量書いていただけるとうれしい。なぜみなさん,あんなに行間を空けるんですか。行間を読めってことですか。