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Publish or perish 2015

まず報告。昨日予告しておりました通り,今日発行のカレント・アウェアネスに私の書いた文献紹介を載せていただきました。拙稿,とへりくだりたいのはやまやまなのですけども,ここで紹介した2編の論文は本当に面白かったので,みなさまぜひご覧いただければ幸いです。とはいえこれは専門書ですし,大学図書館にアクセスのある方でなければなかなかお手に取ることは難しいかと思います。そこで私の書いた文献紹介です。こちらをご覧になって,せめて雰囲気だけでも味わっていただければと存じます。しつこくリンクを付けているので,これでご覧いただけなかったらもう諦めます。と見せかけて諦めるものか。

 そして私は拙稿を各所で宣伝しがてら,忘れないうちに反映しておこうと思ってResearchmapも更新したのである(ひさしぶりの更新だったのでパスワードを忘れ,再申請しなければならなかった)。そしてひさしぶりに公募情報など見ていたのだが,噂通り公募情報,増えている気がする。しかも相当名の知れた大学ばかりである。しかも勤務地が私にとって都合のよいところばかりで(首都圏もしくは中四国),分野が少し逸れていて助かったとすら思った。これで近代イギリス史とかだったら,私は歯噛みして悔しがっていたことだろう。

そして,時代を反映した公募も多く見られた。たとえば岡山大学ウーマン・テニュア・トラックなるものの教員を募集していた。

WTT教員制では,WTT教員それぞれにメンター教員を配置し,また,必要に応じて研究支援者を採用するなど,ライフイベントに配慮したサポート体制を整えることで,女性教員が持てる資質・能力を教育・研究に遺憾なく発揮できるよう努めています。
 本公募により採用されたWTT教員は,次世代を担う女性研究者として自立的に研究を進め,WTT期間中(5年間)の研究および教育業績に基づいた審査(テニュア審査)を経て,テニュア教員(常勤の教員)として採用されることとなります。

 ちょっとなにそれ。羨ましい。しかも待遇として「本学の職員宿舎,乳幼児保育施設,病児・病後児保育施設,学童保育施設等を利用可能」って至れり尽くせりじゃないですか。岡大やるなあ。いや,もう,本当にこれ,近代イギリス史の募集とかじゃなくてよかった。募集されていたのはまあまあ近い分野だったから,心底そう思う。これで近代イギリス史とかだったらもう,胸を張って公募に応募できる業績がないことを恨みながら崇徳上皇のごとくなって悶死したかもしれない。

それからこれはとある有名私大の募集だが,「本学の国際的研究・教育の発展に寄与するため、フランス語ないし英語での授業が可能な方」や「海外でのPh.D取得、ないしは海外での教育研究歴が1年以上ある方が望ましい」との応募資格を掲げているものもあった。いよいよ本格的にこういう時代が来るのかと思った。私はそういうことを見越してではないにしろ,偶然にもこれらの条件を一応満たしている。道を切り拓いてきたわけでもないのに,先輩方がなさっているのと同じように進んできただけでこうした条件を満たすことができているのだから,棚からぼたもち以外の何者でもない。我が身の幸運をかみしめる限りである。

と,公募情報を見ながらいろいろなことに想いを馳せたのだが,何はともあれ,先述した通り,胸を張れる研究業績がなければ話にならないのである。こちらに来てからというもの,学会発表はかなりの数をこなしたけれども,やはり投稿論文を書かなければと思う。

東大の院生時代,指導教官は毎年,初回のゼミで黒板に"Publish or perish"と書き,この言葉の説明をしながら院生にpublishしろと促していた。もちろん,毎年同じ言葉の説明から入るので,院生の方でも先生に言われるまでもなくこの言葉の意味はよくよくわかっているのである。着々と投稿の準備を進めている優秀な学生は先生の言葉に鼓舞され,そうでない学生はうなだれてそれを聞くのが常であった(私はもちろん後者だった)。今年は先生の言葉を待つまでもなく,それも奇しくも新学期に,自分自身で思い出して実感することとなった。 あと1年の間には,なんとかしたいものだ。