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Shall we ダンス?


Shall We Dance? (1996) trailer - YouTube

同居人が持っているDVDを借りるシリーズ(勝手にシリーズ化した),今日は周防正行監督『Shall we ダンス?』。名作の誉れ高いこの作品,実は初めて見た。

とはいえこの作品とそのブームはもちろん知っている。公開当時私は10歳であり,なんでこんなおじさんとおばさんの物語が大ヒットするのかと訝しく思っていた。しかしそんな風に未熟だった私ももうあと3ヶ月で30歳である。この作品に出演したときの草刈民代が同じく30歳。「おじさんとおばさん」の齢になろうとしている。ちなみに草刈民代の役名は「舞」である。いろいろと身につまされるものがある。草刈民代のように美しい30歳になりたいものである。

2時間超と思ったより長めだったが,あっという間だった。なんといっても役所広司(当時40歳)の格好良さである。「所沢の少し先」にマイホームを建てたばかりの,グレーのスーツを身にまとった「しがないサラリーマン」*1であるにも関わらず,惚れ惚れするほど格好良い。なんといっても競技会で着る燕尾服が素晴らしい。総じて日本人に似合わない燕尾服だが,やはり身長が高いからなのか,とてもよく似合う。ちなみに私くらいの年齢になると,たとえば婚活を始めたとして一番紹介されるのは40歳前後の男性であるようだ。ぜひこういった男性を希望したい(福山雅治反町隆史でももちろんいい)。この役所広司の格好良さは劇中でも特に否定されてはおらず,折に触れて青木さん(竹中直人)や高橋さん(渡辺えり子*2)にも「いい男」と言わしめている。つまりルックスはそこそこいいのに,真面目な性格で地味なため目立たない男性という設定なのである。結局何が言いたいかというと,今最も「入手」困難なタイプの男性である。それこそ,福山や反町の比でないくらいに。そして原日出子のような,貞淑で目立たないタイプの,しかしかわいい妻を早々に娶るのである。特に他意はありません。

他の出演者でいうと,草刈民代の演技が見事なまでに棒読みだったのには驚いたが,踊っている場面には惚れ惚れした。さらに柄本明など,脇を固める俳優陣も素晴らしい。映画を見終わった後,ハリウッド版や宝塚版のダンスシーンを動画で少し見たが,特に竹中直人の演技はものすごい影響力を持ったようであった。もうどれを見ても竹中直人の物真似にしか見えない。そもそも竹中直人渡辺えり子,素人目にもダンスがうまかった。そして彼らは,竹中直人はさすがに若かったけれども,20年前の映画と思えないほど変わらない。

新しいことに挑戦してみたいとか,明日からもまたがんばろうとか,いろいろな活力が湧いてくる映画なので,見たことがないみなさまにはぜひおすすめしたい。しかし敢えて言うならば,このトレーラーは何だろう。フォントといい色使いといい,ものすごく趣深い。20年前のトレーラーって,こんなダサかっただろうか。

*1:グレーのスーツ,舞祭組の衣装でもある。やはり「冴えないサラリーマン」の象徴的な衣装であるらしい。

*2:この映画の公開当時は「えり子」