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学振不採用とショパンコンクール三次予選最終日

朝起きたら先輩からのLINEが入っていて,学振の審査結果が出ていることを知った(その先輩は採用されたとのことだった)。朝からとか,やめてくれよ……と思いながらログインしてみると,案の定というかなんというか不採用だったのだが,それにしても評定がCだったのには驚いた。私自身,今年は練習のつもりで出したようなものなので,結果自体はには驚きも何もなかったが,そうは言っても申請書を添削してくださった先輩方や評価書を書いてくださった先生方のご助力を思うと,この不甲斐ない結果が申し訳ないやら情けないやらである。そもそも業績がないに等しい状態なので,それをカバーするに余りある素晴らしい申請書を書かなければならなかったのだが,それはやはり至難の業だったようだ。

とりあえずこのことは一刻も早く報告差し上げねばと思い,お詫びかたがた,みなさまに審査結果のスクリーンショット付きでメールをお送りした。大変ありがたいことに,そのうち何名かはすぐにお返事をくださって励ましてくださった。申請書は「①申請書から推量される研究者としての能力,将来性」「②研究実績」「③研究計画」の3点によって評価されるのだが,そのうち最も大事な①能力,将来性についてはそれなりに評価されているようだし,②研究実績についても,海外では博士課程在学中に論文を投稿するよう推奨されない例が多いので,今の時点で実績がないのは当たり前だとのことだった。とても励まされる反面,そうは言っても研究実績に関しては,こちらでも書く人はどんどん書いているし(たとえば友人のジェロームがそうである),理想的には留学に出かける前に1本日本語論文を投稿すべきであったのに,私はそれを怠ったのだから,そうしたことについてはきちんと反省しなければならない。かといって,業績欲しさに論文を書いてもろくなものにはならないので,どうにかしようと思ってどうにかできるものでもないのがもどかしい。

ただまあ,もどかしくはあるが,予想できた結果ではあるし,私も落ち込んではいないので,みなさま,どうかご心配なさらず。特に私はここ数日間,口を開けばショパンソナタ2番から第3楽章「葬送行進曲」のメロディーばかり口ずさんでいるのだが,これはここ数日間ショパンコンクールで嫌というほど聴いているからであって,この結果のせいで陰鬱な気分であるというわけではありません。「捲土重来」だの「臥薪嘗胆」だの,こうしたマッチョな故事成語の似合う女にはあまりなりたくないものだが(だって「百花繚乱」とか「豪華絢爛」とか「才色兼備」とかの方がいいじゃないですか),そうも言ってはいられない。あと半年,この8文字を胸に,着実に努力いたします所存です。心優しい読者のみなさまにおかれましては,どうか励ましのお気持ちは心の中にとどめておいていただいて,コメント欄やAsk投稿による激励にお手を煩わせることのないよう,お願い申し上げる次第です。いつも応援いただきまして,本当にありがとうございます。

さて,3日間追いかけ続けてきたショパンコンクール三次予選の方は,結果発表まであと少し。今日も早めに帰ってきて後半戦をライブで聴き,さらに今は前半戦で聴き逃したCharles Richard-Hamelin,Alexei Tartakovsky,Xi Zuの演奏を聴いている。そして,せっかく全員聴いたのだから,私なりに20人のコンテスタントを10人に絞ってみることにした。さて,予想はどれくらい的中するだろうか。

しかし,ショパンコンクールには本当に励まされる。特に三次ともなると,前にも書いた通り,誰が本選に進んでもおかしくないくらい実力を兼ね備えたピアニストばかりが競い合うわけである。3日間こんなにレベルの高い演奏を聴き続けられたのはとても贅沢なことであった。同時に,世界で戦うというのはこういうことなのだと眼前に突き付けられた気がした。自分とまったく違う世界の人々として,それこそワールドカップでも観戦するような気分で楽しんでいたが,よく考えてみれば私も,あまりに呑気な留学生活で忘れがちになるが,世界レベルで戦うべくしてここに来させてもらった人間なのであった。学振で不採用Cとか取っている場合じゃないのですよね。心の底から反省しております。