読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ショパンコンクール2015・本選2日目

本選2日目。今日の演奏はどれも面白かった!

www.youtube.com

1. エリック・ルー

舞台袖が映ったときもう死にそうだったのでやや心配したが,演奏を始めるとそんなことはなかった。

この人はなんというか,雰囲気も演奏も,相変わらず老けている。せっかくとても若いピアニストなのだからと,その老け方が時々もどかしく感じられることもあるのだが,しかし本当は心の中にとても激しいものを秘めていて,それを敢えて出さないのかもしれないと思った。あまり大きい音を出さないあたりも,もしかしたらプレトニョフに似ているかもしれない。深く考え込むような内省的かつ思弁的な演奏なので,途中楽しそうに笑顔を浮かべた時とても安心した。

なんだか本当に不思議なピアニストだ。明らかにコンチェルト向きな音でもない気がするのだが,オケと合わせたときとてもしっくりくる。音も全く負けていない。そのあたりもまた,プレトニョフに似ているかもしれない。

2. シモン・ネーリング

やはり「ポーランドショパン」を感じる演奏だった。1楽章の重厚な出だしが心に響く。しかし単に叙情的というのでもなく,音楽自体はどちらかといえばロジカルで,ひとつひとつの音を大切にはっきり出している印象がある。

3楽章は思ったよりも鋭い音を出すので驚いた。この楽章はどの出場者も解釈に苦戦しているような感じがする。しかし,それこそ驚いたのだが,ジャズのようなとても楽しい演奏だった。この人がこんな演奏をするとは思わなかった。今までのところ第3楽章が一番よかったのは小林愛実だったが,ネーリングが急遽浮上してきた感がある。エネルギー切れをまったく感じさせないペース配分も見事。

3. ゲオルギ・オソキンス

オソキンスの演奏もまた,「この人がこんな演奏をするとは」という驚きに満ちていた。オソキンスは1楽章と3楽章が見せ場かと思っていたのだが,今日の協奏曲で聴き惚れたのは意外にもメロディックな箇所だった。たとえば1楽章の中間部はファゴットと溶け合うようで本当に美しい。2楽章の入りもとても綺麗で,うっとりするような調べだった。そしてこの人もまた,ユリニッチと似て,演奏にムラがあるように思える。テクニック的に問題があるわけでもないと思うのだが,指が回りきっていないところがところどころ見受けられるのが残念である。

しかしこの人のピアノも本当に不思議である。ロシアともポーランドとも違うので,ラトビアというあまりよく知らない国がどんな国なのか興味が出てくる。ヴァイオリニストのギドン・クレーメルラトビア出身なんですね。知らなかった。

さて,明日で本選はいよいよ終了。こちらの時間では17時から始まるのだが,明日は16時に大学で授業をした後,セミナーがある。2つの発表のうち,1つは友人ナサの発表だし(彼女はハリー・ポッターシリーズのルーナ・ラブグッドのような話し方をする),トピックがとても面白そうなのでぜひ出席したい。しかしそうなると,大好きなアムランの演奏にはまず間に合わない。残念だが仕方ない。間に合わなかった分はあとから録画を見るかな,と思っていたが,しかしもう学校で見て帰るのもアリなのではという案が浮上した。終わる時間はGMTで19時半過ぎくらいなので,遅すぎもしない。ただ学校で見るのは集中できない可能性もある。できればライブで見たいのはやまやまだが,うーん,ちょっと考える。