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TA試行錯誤中:学生との関わり方について

来週はreading weekという自習週間で―とはいえほとんどの学生が旅行などに出かけるので,誰がreadingしているのかは甚だ疑問であるが―なにはともあれ,学生たちはほとんどの授業において,このreading week明けに中間課題を提出することが義務付けられているようである。こちらの大学は入りやすく出にくい,ということを実感するのはこういう時で,たとえば私の担当している授業では,学生たちはreading week明けに2000ワードのエッセイを提出することになっている。2000ワードって,大学2年生にはまあまあ厳しい分量なんじゃないか。しかもこれはただの中間課題に過ぎず,期末にはもっとヘビーなエッセイが出るのである。毎週のリーディングアサインメントにしたって,読み終えた私が千鳥足になるくらいの分量だし,まったくみなさん,本当におつかれさまです。

ただし,慰労していただきたいのは私も同じなのである。というのは,講義のハンドブックに「わからないことがあれば各チューターとよく相談して」などとあるものだから,毎日3~4通くらいのペースで,この中間課題について学生たちからメールが来るのだ。中間課題にはreview essayが課せられていて,つまりあるテーマに関する先行研究の批判的検討といったところなのだが,まずこのreview essayの性質を問うものが圧倒的に多い。次に多いのは,こういうテーマで書こうと思うがこれは適切かどうかと問うもの。それに続いて,二次文献を読むにしても何冊読めば合格水準なのか,そもそも一次史料と二次文献の違いがわからない,などなど。ご覧の通り,質問内容は大変に初歩的なものも多いのだが,まあ2年生だし,歴史学を専攻している学生ばかりでもない(というか大半が違う)から仕方ないとは思う。*1もちろん,中には非常に目の付け所の良い学生もいるが,そういう学生はたいてい「こういうテーマで書こうと思うが」と確認してくるタイプである。

今日はシェイというアメリカからの留学生の女の子が,「ちょっとエッセイについて相談したいことがあるから今日5~10分くらい話せない?」とメールをしてきた。うーむ,そういうのは君,その日になって言うのではなくて前もって約束しておくのが礼儀というもんだぞ……と,ちょっと複雑な気分にはなったが,まあでも10分くらいなら,ととりあえず話を聞いてみることにした。*2話を聞くに,大枠のテーマはアイルランド移民で,それも女性に着目したいとのことだったのだが,そこからどのように絞っていくかで苦戦しているらしい。いろいろ話して,結局「アメリカへの移民とイギリスへの移民を比較する」という方向でまとまった。将来やることになるであろう面談のいい練習にはなったと思うが,とりあえず次回からは「オフィスアワー」的なものを決めておいて,何か対面で相談したい場合はこの日程のこの時間に,と指定しておこうと思った。

ちょっと後悔していることは他にもある。エッセイに関しての相談メールが届き始めた当初,私は学生可愛さに思わず「初稿ができたときに自信がなかったら送っておいで,コメントあげるよ」と言ってしまい,しかも不公平になってはいけないと,メールを送ってくる全員にそう返していたのだが,思った以上にみんなそのつもりである。よくよく考えれば,来週は私も学会があるし,しかもその次の週からまたチュートリアルが再開されるので,その準備もしなければならない。しまった。余計なタスクを増やしてしまった感がある。学生の面倒を見るのはいいが,線引きすべきところはきちんとしなければと反省した。

と,いろいろ失敗と反省を繰り返しながら,新米教師はがんばっております。 

*1:ちなみに東大のTAをやった経験から言うと,日本の大学生は卒論を書く時点になってこれらのことを聞いてくる。もちろん西洋史学専攻である。

*2:こういう「注意すべきところ」で注意しそびれるのは私の悪い癖なのだが,いきなり注意して萎縮させるのも本意ではないと思った。