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休暇前面談

午前9時から面談。8時過ぎに外に出たらまだ暗かった。

私は一応書くだけ書いて推敲の段階に入っているので,章構成のことなどを中心に相談した。一番完成度が低いのが第1章なので,早く完成度を上げなければとここ数か月焦っていたのだが,手をつけようとするとうまくいかずさらに焦り,おまけにTAの仕事で忙殺されてさらに手はつけられず,の悪循環だった。しかし今日,第1章は序論に近いような部分なのだから後回しでよいと言われる。序論はもちろん後回しにする予定だったが,第1章まで後回しにすべきとは思っていなかったので,目から鱗であった。

しかしそうなると,私が立てていた推敲計画が白紙に戻る。いかんせん,しばらくは第1章と第2章にかかりきりになろうと思っていたのだ。指導教官2人は「今後6週間の予定」を聞いてきたのだが,思いっきり第1章をやるつもりだった私は代案など用意しているはずもなかった。正直にそう告げ,とりあえず2~3日で新しい計画と章構成を作ってメールで送るということにした。さらに,まったく考えていなかった第3章~第5章についても,この章とこの章を入れ替えたらどうかとか,新しく書き加えるならこんなことがいいのではないかとか,いろいろと私が思いつきもしなかったアドバイスを多くいただけたので,視界がずいぶんクリアになったし,推敲に取り組むのが楽しみになった。

今日の面談で一番印象に残ったのは「いつまでに初稿仕上げる?」と聞かれたことだった。正直に言って,これも全く考えていなかったことだった。うーん,今一応書くだけは書いているし,9月に最終稿を提出するとして,そうですね,4月……遅くても5月……と答えると,「うん,じゃあ日にちを決めておこうか。5月1日でどうかな」と言われる。たじたじとなりつつも,日にちレベルでの仕上がり予定を決めるというのを迂闊にも全く考えていなかったので,本当に助かった。

集中して一気に書き上げた先学期と違い,今学期は自分の研究の面ではまとまった成果を上げられず,ちょっと意気消沈していたのだが,「確実に完成が見えてきているのはいいことだ」と言ってもらえたので安心した。クリスマスには日本に帰るんだろう,と聞かれたので,はい今回は少し長いんですが,とおずおずと答えると「君はもう一通り書いているんだから,新しく本や史料を読む他にもできることはあるよ」と言われた。「むしろこれは議論をブラッシュアップするのにいい機会だから,たとえば10分で君の論文を他人に説明するとしたら何を言うか,箇条書きにして考えてみてごらん」というアドバイスをもらったのも,私にはとても新鮮だった。論文を書く時にはありがちな悩みだと思うが,書き上がったら最後,研究対象との距離が近くなりすぎていて,いざ推敲する段になると,どこが余分なのか判断がつけられなくて途方に暮れるということが往々にして起こる。削るところを考えるのではなくて,本当に重要なものを残すという考え方ですね。『人生がときめく片づけの魔法』と同じアプローチですね。なるほど。

今回の面談はまあまあ短めで,40分にも満たないほどの面談時間だったが,予想以上に多くの収穫があった。そもそも今回は何も見せられるようなものを持っていないし,というわけで始まる前は少し憂鬱だったのだが,休暇前に本当に有意義な面談をしてもらえて本当に助かった。最近何度も書いている通り,私が大学院生の指導をするようになるのなどまだまだ先だと思うが,その時にはぜひ,私自身が今までの指導教官たちから受けたような,やる気を引き出すような面談ができるよう努力したいものだと思った。