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完璧にはなりえないんだから

昨日書いた通り,今朝は指導教官と面談でございました。

昨日心配していたことについては,not interestingとは言われなかったものの,very interestingとも言われなかったのが少々心外ではある。*1異端的ではあるが結構野心的なことを言っているつもりではあるのだが。

この時期になってくると,面談の内容はほとんどが実際の進捗の確認とそれに伴う執筆計画の見直しになってくる。私は最終的な章構成に手間取っているのだが,もしかしたら現在の第1章を序論に「吸収合併」させた方がいいかもしれないなど,多少大きめの工事が見込まれる予想が入り,「とりあえずは第3~6章の書き直しを4月中旬までに出して」と言われた。はい,でも前回の面談では5/1を締切にフル・ドラフトを完成させようという計画でしたよね?と確認すると,「これからやるべきことの多さを考えるとそれは厳しいんじゃないか」と。えええー。

私が今受けている奨学金で保証されている滞在は今年の9月までで,それを超えたら私は来年度の学費を支払わなければならない。なので,最終的な提出がその期限を超えることはまずないだろう。しかしそうだとしても,この段階で当初の締切が「延びる」というのはあまり良いサインではない。そう考えながら黙っていると,指導教官が「もちろん,この計画で君がハッピーならだけど」と助け船を出してくれた。なので迷わず,「当初の締切を遅らせることはしたくありません」と宣言し,「それなら第3~6章は3月末までってことにしようか」「はい,それとできればその前に,簡単に進捗を確認したりしたいので短めの面談をお願いできたらうれしいのですが」「オッケーじゃあ3月第2週ね」と,とんとん拍子でリスケジュールが進んだ。うまいことやったつもりではあるのだが,うまいこと乗せられたのは私の方かもしれない。

やはり性格的なものなのか,私は今回も少し厳しめのタスクを設定してしまった。大見得を切ったからにはやらねばならん。ただ,第6章の書き直しにあたって目の前に立ちふさがっていたテクニカルな問題が今日指導教官に相談して解決したので,本当に助かった。今日は手始めに,女性たちが自伝や日記で読んだと言及している19世紀末のベストセラーがいかに「売れて」いたか,それぞれ指標となる部数を数えるという血のにじむような作業を終わらせてきた。疲れたが,やり方がわかるとまあまあ楽な作業でもあった。センセーション・ノベルやニュー・ウーマン・ノベルが売れているのを見るのは愉快なことである。

ちなみに,今日の面談で一番印象深かったのは,もう長いこと第6章にかかずらっているから,もう少しだけやったらさすがに捨て置いて(leave)他の章を直した方がいいのかもと思うと相談したとき,指導教官から「その通りだよ,完璧にはなりえないんだから」と言われたことであった。英語でなんと言っていたか,正確に思い出せないのが悔やまれる。しかし,これは本当にその通りですね。日ごろ完璧主義とは程遠い私が,ついつい幻の「完璧」を目指してしまうくらいなのだから,もともと完璧主義な学生たちは幻影を求めていつまでも苦しむことになるのではないか。私も将来学生を指導する暁には,彼らが変な完璧主義に追い詰められないよう,リードしてあげられるような指導を心がけたいものだと思った。

*1:ちなみにこちらで"interesting"はほとんどの場合「ふーん」くらいの意味で,「興味深いネ!」ではありません。本当に「興味深い」の意で使いたければ,ネイティブは様々な形容詞をくっつけてくる。"very interesting"とか"It IS interesting"とか"How interesting!"とか。